旧来のもの
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 03:33 UTC 版)
ミールワームとして古くから飼育されているのはコメノゴミムシダマシ(Tenebrio obscurus Fabricius, 1792)、チャイロコメノゴミムシダマシ(T. molitor Linnaeus, 1758)の2種である。日本国外でミールワームといった場合普通後者を指し、後者のみが分子生物学や分子遺伝学の研究にも使われる。 前者は高温に強く熱帯から温帯に広く分布するが、元来はインド原産と考えられている。日本でも、貯穀害虫としてすでに野生化しているが、日本国内では商業的な増殖や流通は行われていない。幼虫の体色が暗い色調の褐色であるため、「ダーク・ミールワーム」と呼ばれている。 一方、後者は低温に強く温帯の冷涼な地域に広く分布するが、元来はヨーロッパ原産と考えられている。日本では、貯穀害虫として野生化しているという確実な報告はほとんどなく、野生化の現状は不明である。日本国内で古くから商業的に増殖され、主としてミルワームの商品名で流通しているミールワームは、このチャイロコメノゴミムシダマシの幼虫である。幼虫の体色が黄褐色であるため、「イエロー・ミールワーム」と呼ばれる。また日本国内で単にミールワームといえば、ほぼこの種を指していると考えてよい。 これらの2種が小動物の餌として飼育増殖されるようになったのは20世紀に入ってからと推定されており、また商品化されて販売されるようになったのは第二次世界大戦以後のことであるらしい。 チャイロコメノゴミムシダマシの成虫はお尻から悪臭を放つため、餌としての価値が無くなってしまうため、餌用はサナギのうちに処理した方がいい。 また、水でよく洗って油で揚げるか茹でるなどをして人間が食べることも可能。
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