旧型客車に対する表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/19 09:05 UTC 版)
「一般形車両 (鉄道)」の記事における「旧型客車に対する表現」の解説
オハフ33形 室内 「旧型客車」も参照 一般形に該当する客車は50系のみであるが、旧型客車(10系以前の客車)については明確な用途を定めていないが、国鉄の現場ではもとより鉄道ファンからは便宜上、一般形客車・在来形客車と呼ばれることもある。 旧来の客車は幹線の長距離列車で使用することが前提であり、戦災復旧車である70系がロングシートで製作された他はその多くがデッキ付きの2ドアクロスシートで製造され、独立した便所と洗面所を備える。定員重視で製作された60系の三等車(普通車)を除いて優等列車への使用することも前提としていた。 10系以前に製造された客車は優等列車への使用を目的とした車両は一等車と特急列車向けとされたスハ44系くらいであり、70系と60系の三等車(後の二等車。現在の普通車)が実質的な一般(普通列車)用であり、その他の形式は三等車については列車や種別ごとに用途を限定しているわけではないが、そのほとんどが優等列車で使用することを前提にデッキ付き2ドアクロスシートで製造されており、新製車の投入は優等列車優先で投入され、優等列車への後継車の増備や置き換えにつれて捻出された中堅車や経年車は次第に普通列車にも運用されたりするなど汎用的に使用され、特に○○形といった車両区分の概念がなく、列車種別による明確な定義・区分すらされなかった。したがって、旧型客車に国鉄が定義した一般形の区分を当てはめるには難があり、通勤輸送に適した車両とは言い難く、旧型客車には正式にこの用法は使われるものではない。 旧型客車に対してこの用法が使われた理由として、以下の説が挙げられる。 10系以前の客車のうち、戦災復旧車、鋼体化改造車、軽量客車以外の客車(第1位(十の位)の数字が「3-5」の客車)は明確な定義すら行われず、便宜的にこの用法が使われることがあったが、実態は(軽量客車も含めて)優等列車で使用することも前提としていた。広義では戦災復旧車である70系と鋼体化改造車である60系と軽量客車である10系もこの概念に含まれる。 旧型客車には明確な意味で系列という概念がないため、新系列客車以外は混結可能であり、編成の組成に制約を受けないことから1両単位で管理され、どのような組み合わせでも連結し、1つの列車として組成して使用することができるようになっていたため、系列単位で使用することを前提とした固定編成客車・新系列客車と呼ばれる20系以降の客車との対比で従来の客車の総称として使われた。 1970年代後半以降は新幹線開業や急行列車の廃止・削減につれて優等列車への充当が減少し、普通列車への充当が多くなった。
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