日韓通信業務合同紀念切手
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「日韓通信業務合同」の記事における「日韓通信業務合同紀念切手」の解説
日本の逓信省は7月1日の接収完了を記念して『日韓通信業務合同紀念』と題する記念切手を発行した。この切手は日本が発行した記念切手としては4番目で、図案選定者は樋畑雪湖であった、原画作成者は磯辺忠一、原版彫刻者は細貝為次郎と日本で企画製造された。だが、この記念切手の図案は異例な点が数多くあった。 まず国号表記である「大日本帝国郵便」が欠けている。この国号表記欠落は初期の普通切手「手彫切手」を除けば、二十世紀に発行された2例のうちのひとつである。切手には「日韓通信業務合同紀念切手」と右書表記があるが、当時の日本では記念を紀念と表記していたことによる。中央の円形枠内には額面「参銭」の文字が大きく描かれ、上下には鳩が、下部には電信を象徴する電光が添えられている。中央の円形枠内には事実上の日本の国章である皇室の菊花紋章と大韓帝国の国章である李王家の李花紋章(ko:대한제국의 국장)が左右同じ高さに置かれて日韓両国の紋章が対等の位置におかれている。これは事実上韓国の通信事業を強制的に吸収したにもかかわらず、記念切手の題目のように「合同」すなわち対等合併したことを、ことさら示そうとしたとの指摘がなされている。 なお、この「日韓通信業務合同紀念切手」は、250万枚が製造され、そのうち100万枚が韓国および日本の植民地であった台湾と、清国(中国)国内にあった日本郵便局に納入されたという記録があるが、「逓信省第二十年報」掲載の発行高(販売枚数)によれば、販売総数約148万枚のうち、韓国国内で発売されたのは82万枚であった。そのため、日本の記念切手としては発行直後に海外で販売された総数のほうが多かったという切手であった。
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