日本の炊き出し
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/03 07:32 UTC 版)
日本の歴史上では近世に至るまで度々飢饉・災害や戦乱が起こったので、かつては粥の炊き出しなど同様の行為が救小屋として寺社による喜捨や自治する領主の令によって実行されていた。日本語の炊き出しは、元々、火災や震災・水害などで住む家を失った人や、その事後処理に協力した人に対して、周囲の人が飯(米飯)を「炊いて出す」行為を指す語であるが、近年[いつ?]では様々な危機的状況下において飲食物を野外で提供する行為全般を指している。ただし、防災研究の分野では、災害食の配布や個人やボランティアによる突発的な煮炊きと、組織的な給食支援(炊き出し)は別のフェイズと考えられている。例えば東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)の場合、炊き出しの開始は災害発生から約1か月後に始まったとされている。 災害発生時においては、主に避難所に移動してきた住民に対して、また渋滞中の車両のドライバーや同乗者に、運行停止中の鉄道の乗客などに対して行われる。移動可能なコンロを用いて煮炊きした物を、その場で提供することも多い。 提供される食料品は、菓子パンやおにぎり、アルファ化米など主食となるもの、コーヒーやジュースなどの飲料、飴やチョコレートなどの菓子類が無償で提供される。気温が低い状況下では温かい飲料(甘酒や豚汁など)が提供される場合もある。 公職選挙法第139条では選挙期間中の飲食物の提供は禁じられているが、地方によっては選挙事務所で応援者に振る舞われる炊き出しが選挙戦の慣例となっている。
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