日本におけるMMSの利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/31 20:41 UTC 版)
「マルチメディアメッセージングサービス」の記事における「日本におけるMMSの利用」の解説
MMSは全世界の携帯電話事業者で採用されているが、日本の事情は世界とは全く異なっている。というのも、機能的に競合する日本の各社のキャリアメールの多くは、MMSの規格をまとめている頃には既にサービスインしていたからである。なお、MMSはキャリアメール同様、インターネットとのメッセージ交換の際に携帯電話事業者所有のドメインをメールアドレスとして使うことがほとんどであるから、MMSを世界標準版キャリアメールと考えることもできる。日本の各携帯電話事業者は、MMSについて難しい対応を迫られることになった。 NTTドコモではMMSを採用しておらず、iモード端末では自社が開発したキャリアメールであるiモードメールを採用している。スマートフォン向けにはドコモメールやspモードメール、mopera Uのプッシュ配信サービスを提供している。 ソフトバンクで提供されているS!メールはMMSそのものであり、もともとは2002年からボーダフォン(当時 J-PHONE)が行った国際化戦略Vodafone Global Standardの一環として導入された「Vodafone live!メール」がMMSを採用したこと由来している。一部モデルや、ソフトバンクの前身のボーダフォンではMMSと呼ばれていた。容量は最大2Mバイトまで。しかし、アクセスポイントを公開していないため、海外で購入したSIMフリー端末などでは利用出来ない。 KDDIも当初はMMSは採用しておらず独自のEZwebメールを採用していたが、2012年4月よりiPhone向けにMMSサービスを開始した。これと同時に、キャリアアップデートにより国際標準から外れていたCメールは3GPP2仕様SMSに実質置き換えられ、送信時に送信料とは別に発生していたパケット通信料が発生しなくなった。 イー・アクセスでは、「emobileメッセージ」アプリで、"emobile.ne.jp"を利用する設定を行うことで、MMSとして利用可能(ただし、3Gスマートフォンでこの設定を行うと、EMnetメールの利用ができなくなる)。 ワイモバイルの端末のうち、Nexusブランドのスマートフォン EM01L(Nexus 5)、Nexus 6等については、Google+ ハングアウトの機能によって利用する。MMSの仕組み上当然プッシュ配信となる。ハングアウト利用は強制ではなく、一般的なMMSアプリに置き換えても問題なく送受信出来る。 問題点として、Nexus向け契約であるEMOBILE 4G-S契約及び「スマホプラン タイプ1」では、他社の発売するSIMフリー端末ではデータ通信用のAPN設定のみ公開されていて、MMS設定は特に公開されていない(秘匿されている訳でもなく、Nexus 5等のAPN設定画面でMMS設定内容の確認は支障なく出来る)。他社端末では、Nexus 5と同じMMS設定を行うだけでは機能せず、高度なMMS設定が可能なMMSアプリ(Handcent SMS等)で、UserAgent文字列を"Nexus5"とする必要がある。
※この「日本におけるMMSの利用」の解説は、「マルチメディアメッセージングサービス」の解説の一部です。
「日本におけるMMSの利用」を含む「マルチメディアメッセージングサービス」の記事については、「マルチメディアメッセージングサービス」の概要を参照ください。
- 日本におけるMMSの利用のページへのリンク