日本におけるクロスボウによる事件と規制
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 09:21 UTC 版)
「クロスボウ」の記事における「日本におけるクロスボウによる事件と規制」の解説
2010年1月から2020年6月に全国の警察が摘発したクロスボウ使用事件は32件あり、うち13件が生命や身体に危害が加えられる殺人や殺人未遂などであった。2020年6月には兵庫県宝塚市で4人がクロスボウ(ボーガン)で撃たれて死傷する事件が発生。 クロスボウの規制については青少年保護育成条例における有害玩具として未成年への販売・所持が禁止されていたが、成年への販売・所持については規制はなかった。事件を受けて警察庁はクロスボウにも規制を設けることが適当と判断し、同年12月17日にボーガン所持を許可制とする方向で銃刀法改正の検討を進めると発表した。警察庁が9月に設置した有識者検討会が取りまとめた報告書では、「銃刀法の改正を含めた検討を行い、(所持や販売などの規制を)できる限り速やかに講じられることを期待する」としていた。事件が発生した兵庫県では、10月にクロスボウ(ボーガン)を所持する県民に一律に届け出を義務付け、違反者には罰則を科すボーガンの安全な使用及び適正な管理の確保に関する条例が成立した。 2021年6月8日、クロスボウの使用及び販売の規制、所持の許可制を定める改正銃刀法が成立した。規制では人の生命に影響を及ぼし得るものが対象。所持には都道府県の公安委員会の許可が必要となりスポーツ用、動物麻酔用などに限り許可を受けた用途以外での発射は認められない。また使用は安全性が確保が出来た場合のみに限られる。 銃刀法の成立を受け、全国の都道府県警察では同法施行(2022年3月15日)の6か月後(同年9月14日)までクロスボウの無償回収を進めている。しかし、2021年9月15日までに950本しか回収されておらず、警察庁も「これまで規制の対象ではなかったこともあり、流通や所有者の数が把握できず、全体のどの程度回収できているか不明である」とコメントしている。
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