日曜劇場版の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 09:25 UTC 版)
スタッフロールで「潤色:橋本忍・山田洋次」と表示されるなど、映画版での「潤色」と同様の設定がされ、ピアノ協奏曲『宿命』(演奏会では和賀自らがピアノを演奏する)が印象的に用いられた。『宿命』の作曲は千住明による書き下ろしで、ピアノ演奏は羽田健太郎がつとめた。 親子の放浪の理由が「和賀英良(本浦秀夫)の父・本浦千代吉が、集落の中で唯一ダム工事の住民投票に賛成票を投じたといういわれなき理由で村八分にされた結果、妻が急病になった際集落の医師から診療を拒否され、誰にも助けてもらえないまま病死するに至ったことに憤怒し、村中の家に放火して26人を殺害したため」という設定にされている。村中に放火するという設定は、原作者が津山事件について記したドキュメント「闇に駆ける猟銃」から引用されたものである。その後千代吉は三木の秀夫への配慮により、亀嵩から離れた大阪で逮捕されたものの、公判中に不治の病に倒れ、秋川医療刑務所に収監されている設定となっている。 この変更については、時代の変化という理由もさることながら、川辺川ダムをめぐる一連の騒動や、放送前年の2003年11月に黒川温泉(熊本県)のホテルで起きたハンセン病元患者宿泊拒否事件も大きく影響している。 また、舞台を2004年としており、時代の整合性の問題から、和賀の戸籍偽造について「秀夫が亀嵩から逃亡した後長崎で保護され孤児院にいた際、小学校の同級生で1982年の長崎大水害で一家を含む地区の住民全員が亡くなった和賀英良の自宅近くにいるところを偶然救助隊に発見され、その機会に乗じて和賀英良の名を名乗った」と変更されている。その他、捜査の過程で行われる鑑識による証拠品の鑑定で、原作の時代にはまだなかったDNA鑑定が用いられるなどの違いも存在する。 亀嵩駅のシーンの撮影については、映画版同様別の駅が使用され、本作では山口線篠目駅がロケ地に使用された。
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