旅客化後の問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/18 00:27 UTC 版)
「名古屋臨海高速鉄道あおなみ線」の記事における「旅客化後の問題点」の解説
地元住民にとっても念願の鉄道であり、また沿線には娯楽施設・商業施設があり、また愛・地球博サテライト会場である「デ・ラ・ファンタジア」へのアクセス路線であることから、この路線が大いに期待された。 しかし、開業直前の1日乗降客数が66,000人(2004年度見込み)と予想されたのに対し、実際には18,226人/日(2004年度)にとどまるなど乗客数が予想を大きく割り込んでおり、当初の需要予測の甘さに対する指摘や、事業計画そのものを疑問視する声が挙がっていた。利用者の伸び悩み要因として、名古屋市は三大都市圏の中では公共交通機関より自動車利用率がやや高く、自動車通勤者を公共交通機関であるあおなみ線に転換させるのが難しいことが挙げられる。 市営バスからの旅客の移行もある。また、トランパス対応カードによる名古屋市営交通との乗継割引制度や、連絡定期券割引制度など、市政による支援も大きい。開業当初と比較して早朝・深夜における運行時間帯は拡大し、少しずつではあるが乗客は増えている。 2008年10月23日に発生した脱線事故による運休時において、路線の大部分をカバーできる名古屋市交通局(市バス・地下鉄)をはじめとする他の交通機関への振替輸送は行われなかった。この時には、代替バス等も用意されず定期券利用者であっても自己負担で他の交通機関を利用することを強いられた。その後の補償については往復乗車券の支給となったため、名古屋 - 南荒子、名古屋 - 港北など、市バス複数路線または市バスと地下鉄の乗り継ぎを要する区間の利用については、他の交通機関を使用するために要した額に見合わない補償内容となったケースもある。 2011年3月14日に開館したJR東海の鉄道博物館「リニア・鉄道館〜夢と想い出のミュージアム〜」および、2012年にささしまライブ24地区に開設した愛知大学名古屋キャンパスによる乗客増や資産圧縮、人件費の節減により、「あおなみ線経営改善第二次5カ年計画」において2013年度の黒字転換を目指すとし、2011年および2012年には計画目標を達成し、2013年度に黒字化の見込みが立った。しかしながら、鉄道施設の維持や出向社員・OB社員の高齢化による若手社員への技術継承での経営維持から、第二次5カ年計画の期間中ながら「あおなみ線第三次5カ年計画」へと転換することとなった。また、筆頭株主の名古屋市から外郭団体に対する自立経営維持としても次期計画としての「あおなみ線第三次中長期5カ年計画」が別に策定されている。
※この「旅客化後の問題点」の解説は、「名古屋臨海高速鉄道あおなみ線」の解説の一部です。
「旅客化後の問題点」を含む「名古屋臨海高速鉄道あおなみ線」の記事については、「名古屋臨海高速鉄道あおなみ線」の概要を参照ください。
- 旅客化後の問題点のページへのリンク