新古典的なロマン主義者とは? わかりやすく解説

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新古典的なロマン主義者

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/12 14:25 UTC 版)

新古典主義音楽」の記事における「新古典的なロマン主義者」の解説

新古典傾向作曲家は、19世紀にもフェリックス・メンデルスゾーンヨハネス・ブラームスのほか、アカデミズム作曲家英国チャールズ・ヴィリアーズ・スタンフォード米国ジョン・ノウルズ・ペインロシアセルゲイ・タネーエフ)に見受けられたが、この場合想定された「音楽古典」は、バッハからベートーヴェンに至る18世紀音楽のことだった(現在でもパリ音楽院教官は、新古典的・擬古的な作風をとることが普通であり、ジャン=ミシェル・ダマーズピエール=マックス・デュボワにその傾向認められる)。 一般的には中でもブラームスについて、「ロマン主義者の中の新古典主義者」といった評価今なお通用している。これは、ブラームス作曲家としてのいくつかの側面を、当時時代環境の中で位置づけたものであり、シューベルト以前ウィーン古典派信奉し伝統的な規模音楽観明晰な楽曲構成墨守ようとした作曲態度について使われるブラームス音楽は、しばしば新ドイツ楽派作曲家特徴否定詞をつけて説明することができるように、本質的に保守的であった(ただし、その保守主義は、19世紀ロマン主義特徴的な歴史主義つながり持っていた)。ブラームス旋律法は、ワーグナー無限旋律ちがって小さな楽節集積から成り立っており、ワーグナーリスト違って調性ないしは調性感を極限まで拡張しようとはしていないまた、アントン・ブルックナーのようには、豊富な素材用いて楽章規模拡張しようともしなかった。両者の違いは、新ドイツ楽派作曲家は、ベートーヴェン新たな道を指し示した考えたに対してブラームスは、ベートーヴェン古典的な音楽あり方完成した見なしていたことにも表れている。 かつてはセザール・フランクエドワード・エルガーも、ブラームス作風との表面的な類似から新古典的なロマン主義者とされたが、彼らの管弦楽曲交響曲見られるような、調性感や楽曲構成拡張という点では、新古典主義と言うことできない部分がある。また、リヒャルト・シュトラウスは、特に後半生で、拡張され調性和声法踏まえながらも、しばしばモーツァルトメンデルスゾーンベートーヴェンへの回帰模索しているが(オーボエ協奏曲や「メタモルフォーゼン」など)、やはり過去へのロマンティック憧憬超えるものではなかった。 単に擬古趣味というだけならば19世紀においても、リストいくつかのオルガン曲グリーグの『ホルベアの時代から』、チャイコフスキーの『弦楽セレナード』やオペラスペードの女王』のディヴェルティメントなどの例があった。しかし新古典主義とは、音楽上の趣味感覚に対してではなく音楽観音楽思想に対して使われるのである

※この「新古典的なロマン主義者」の解説は、「新古典主義音楽」の解説の一部です。
「新古典的なロマン主義者」を含む「新古典主義音楽」の記事については、「新古典主義音楽」の概要を参照ください。

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