新古典派経済学の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 04:13 UTC 版)
「新古典派経済学」の記事における「新古典派経済学の特徴」の解説
新古典派経済学は自由放任主義(レッセフェール)の理論であるとの見解がしばしば表明されてきたが、ジョン・メイナード・ケインズ以前あるいはケインズ以外の自由主義経済学派の系統と呼ぶのがより実体に近く、政治思想としての自由放任主義、とくにリバタリアニズムやアナキズム(無政府主義)とは大きく異なり、公共財の供給や市場の失敗への対処、あるいはマクロ経済安定化政策など政府にしか適切に行えないものは政府が行うべきであるとするなど、政府の役割も重視する。新古典派経済学の源泉は、道徳哲学の延長にあり、(新古典派経済学などの伝統的経済学では)社会的・文化的要素は基本的に重視されない。 自由主義の観点では、たとえばレオン・ワルラスはすべての国土の国有化を提唱しており、無条件で手放しの自由放任主義者ではない。ワルラスによればアダム・スミス流の経済学はむしろ応用の側面から経済学を定義したものであって、理想的な社会実現の夢を膨らませていたワルラスは「土地社会主義」を基礎として、そこから完全競争社会、ひいては完全な人間社会を描こうとした。 マーシャルが創設したケンブリッジ学派おいては、不完全な人間が作った経済が完全であるはずがないとの共通認識があった。マーシャルは自由放任主義に基礎をおく価格決定論(ワルラスの一般均衡)には批判的であり、不完全競争の世界を前提とした部分均衡分析を活用した。
※この「新古典派経済学の特徴」の解説は、「新古典派経済学」の解説の一部です。
「新古典派経済学の特徴」を含む「新古典派経済学」の記事については、「新古典派経済学」の概要を参照ください。
- 新古典派経済学の特徴のページへのリンク