斎王・斎王代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/07 07:22 UTC 版)
「斎王」(さいおう)とは、賀茂神社に御杖代として仕えるために皇室から差し出された内親王・女王のこと。 1956年(昭和31年)に斎王にちなみ、斎王代と女人列が創設された。京都ゆかりの一般女性から選ばれ、斎王の代理ということで「斎王代」となる。唐衣裳装束(からぎぬもしょうぞく)を着用、白塗りの化粧をし、お歯黒も付ける。 毎年5月4日には斎王代禊(みそぎ)の儀が行われる。斎王代と女人たちが御手洗池(みたらしいけ)に手を浸し清める儀式で、下鴨神社と上賀茂神社両社で隔年交替で行われる。 なお斎王代は一般公募あるいはオーディション等で選ばれていない。数千万円と言われる費用を負担できることが条件となっているため、京都ゆかりの寺社・文化人・実業家などの令嬢(主に20代)が推薦等で選ばれている。莫大な負担ができ、かつ祭の維持に理解がある一部の家の令嬢に事実上限られるため、一部の資産家に役割が集中し、母も斎王代であったという例は数多く、姉妹揃って斎王代や、祖母・母・本人と三代続けて斎王代であるという例もある。 1956年の初代斎王代は、現在「易学あや」の名で占い師をしている女性が選ばれた。1994年(平成6年)には華道・池坊家元の池坊専永の二女池坊美佳、2005年(平成17年)には京都市のゲームソフト開発会社トーセ社長の長女、2006年(平成18年)には西国三十三所15番札所・今熊野観音寺住職の三女、2008年(平成20年)には老舗料亭「菊乃井」経営の村田吉弘の長女、2009年(平成21年)には裏千家の千宗室家元の長女で三笠宮崇仁親王の孫、2010年(平成22年)には六波羅蜜寺住職の長女、2017年(平成29年)には学校法人京都文教学園理事長の孫が選ばれている。 1995年(平成7年)は雨天で中止になったため、翌年も同じ女性が選ばれた。2002年(平成14年)には京都市出身で東京在住の女子大学生が選ばれ、京都府外在住者では初の斎王代となった。
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