文化財保護と世界遺産
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 07:44 UTC 版)
「荒船・東谷風穴蚕種貯蔵所跡」の記事における「文化財保護と世界遺産」の解説
「富岡製糸場と絹産業遺産群」も参照 2006年に群馬県と県内の4市3町1村が世界遺産候補として文化庁に共同提案した「富岡製糸場と絹産業遺産群 - 日本産業革命の原点」には、構成資産として荒船風穴と東谷風穴(推薦名は「栃窪風穴」)が含まれていた。 世界遺産として推薦されるためには、まず国内の法令などによって保護されている必要がある。2006年の時点では、いずれの風穴も文化財指定を受けていなかったが、「荒船・東谷風穴蚕種貯蔵所跡」として、2010年2月22日に国から史跡に指定された。指定理由としては、「荒船風穴は全国一の貯蔵規模を誇って全国的な取引を行い、東谷風穴は地域の風穴としては規模が大きく、ともに群馬県を舞台に展開した近代養蚕・製糸業を知るうえで貴重である」ことが挙げられていた。 その後、世界遺産の推薦候補の絞込みの中で類似する物件の一本化などが行なわれた結果、東谷風穴は推薦候補から外れた。 他方で、荒船風穴は富岡製糸場、田島弥平旧宅、高山社跡とともに正式推薦時の構成資産となった。その理由は、田島弥平旧宅、高山社跡と共通する優良品種の開発・普及のほか、養蚕業を1年に複数回できるようにする上で蚕種貯蔵風穴の存在は大きく、荒船風穴はその典型例かつ最大規模であったことである。こうした位置づけの証明として荒船風穴の遺跡が備えている完全性と真正性に対しては、ICOMOSはいくらかの留保はつけたものの、おおむね良好な評価を与えた。こうしたICOMOSの判断も踏まえ、2014年6月の第38回世界遺産委員会で登録された。
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