文化人類学による説明とは? わかりやすく解説

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文化人類学による説明

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/20 17:53 UTC 版)

カニバリズム」の記事における「文化人類学による説明」の解説

特定の社会では、対象の肉を摂取することにより、自らに特別な効果や力、または栄誉得られる信じられている場合がある。しばしばその社会宗教観、特にトーテミズムと密接に関係しており、食文化というよりも文化人類学民俗学属す議題である。自分仲間食べる族内食人と、自分達の敵を食べる族外食人に大別される。 族内食人の場合には、死者への愛着から魂を受け継ぐという儀式的意味合いがあると指摘される。すなわち、親族知人たちが死者食べることにより、魂や肉体分割して受け継ぐことができるという考えである。すべての肉体土葬火葬にしてしまうと、現世に何も残らなくなるため、これを惜しんで行いと見ることができる。日本に残る「骨噛み」は、このような意味合いを含む風習考えられる。 なお人供養考えるか、葬制一部と見るのかによって意味合い変わってくるが、ニューギニア島一部族に流行していたクールー病呼ばれるプリオン病は、族内食人が原因プリオン増加したことが判明している。 族外食人の場合には、復讐のような憎悪感情込められる指摘される。また族内食人同様、被食者の力を自身取り込もうとする意図指摘される代表例各国見られる戦場における人肉食である(兵糧補給という合理的見地ら行われた場合を除く)。ヨーロッパ人の探検隊が先住民族捕らえられ食される逸話もこれに相当する。何もこれは未開地域の話ではなく例えばジョン・ジョンスンは、妻を殺したインディアン復讐した際、その肝臓食べたという話が広まり、レバー・イーティング(肝臓食い)という渾名付けられた。実際には、インディアンナイフ殺した時、刃先付着していた肝臓の欠片食べる「ふり」をしただけともされるが、いずれにせよ殺した相手の肉を食らうという逸話は、復讐完了したことを象徴的に示しているとされた。 戦争によるカニバリズムは、首長制集団のような比較小規模な条件では高まり国家呼べ規模まで成長する逆に禁止縮小される傾向がある。マーヴィン・ハリスは、戦争によるカニバリズムを許すと相手降伏望めなくなり戦争後統治収奪困難になるデメリット大きいために国家レベル社会では戦争によるカニバリズム禁止したとしている。 なお、タンパク質供給源不足している(していた)地域では、人肉食風習を持つ傾向が高いという説がある。実際に人肉食が広い範囲見られ上述ニューギニア島は、他の地域比べて家畜伝播遅く、それを補うような大型野生動物生息していなかった。 こういった地域での族外食人には、もとは社会的意図がなかった可能性示唆される

※この「文化人類学による説明」の解説は、「カニバリズム」の解説の一部です。
「文化人類学による説明」を含む「カニバリズム」の記事については、「カニバリズム」の概要を参照ください。

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