揖斐線 - 岐阜市内線直通列車への転用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/11 08:18 UTC 版)
「美濃電気軌道セミボ510形電車」の記事における「揖斐線 - 岐阜市内線直通列車への転用」の解説
1967年(昭和42年)に岐阜市内線と揖斐線との直通運転が開始されるに当たり、両形式はこの時点でも車齢40年を超える古典車でありながら同列車用車両として転用されることとなった。これは鉄道線規格に合致する高床構造、かつ併用軌道区間を走行可能な車両ということでの抜擢だった。運用開始に際しては1967年(昭和42年)から翌1968年(昭和43年)にかけて、モ510形全車とモ520形522 - 526を対象に以下の改造が施工されている。 スカーレットと白のツートンカラーに塗装変更 車内の転換クロスシート化 自動折り畳み式の客用扉ステップ新設 集電装置のパンタグラフ化 制動装置をSM-3直通空気ブレーキからSME非常弁付直通空気ブレーキに改造 正面に密着自動連結器を新設 直通運転に際しては2両編成での運行が基本とされたが、モ510形のみ総括制御化改造を施工し、モ520形については制御方式に手を加えずモ510形との併結時は制御車(ク)代用として使用することとなった。そのため、モ510形については揖斐線内での高速性能と付随車牽引力を確保するため、主電動機については他形式から転用した東洋電機製造製TDK516A型を4基搭載し、制御器も電磁単位スイッチ式手動加速制御(HL)のHL-480F型に換装して、この主電動機の換装により1両あたりの出力は44.8kW×2=89.6kWから63.5kW×4=254kWと大幅に強化されてサイズの割には強力駿足な電車となった。一方モ520形は従来の電装品はそのままに、新たに本揖斐向き運転台にのみHL制御用マスコンを増設し、単独走行可能ながらモ510形との併結時は事実上片運転台の制御車(ク)として使用された。 直通運転開始当初は、揖斐線内では2両編成で運行し、忠節駅で両車の連結を解除して岐阜市内線内ではモ510形・モ520形それぞれが単行運転を行う形態が採られたが、1975年(昭和50年)9月より常時2両編成のまま市内線へ直通するようになり、以降モ520形が単独で走行する機会はほぼなくなった。 なお、上記改造対象から漏れたモ521は1969年(昭和44年)12月に廃車となっている。
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