後継機計画とOH-58F
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「OH-58 カイオワ」の記事における「後継機計画とOH-58F」の解説
OH-58は初飛行が1960年代と基本設計が古く、センサー面でも索敵レーダーを装備したAH-64Dが登場すると再び能力差が大きくなった。また、イラク戦争やアフガニスタン紛争にて合わせて30機以上の損失を出したため、改修やRQ-7 シャドーなどのUAVによる任務の一部代替とは別に、OH-58Dの後継機を調達し代替する計画もあった。ただし「観測ヘリに攻撃能力を持たせて多用途化する」という方向性が混乱を招き、未だ実現には至っていない。 2004年にRAH-66の開発が断念された後も、新しい偵察ヘリコプターとしてARH-70の導入が検討されていたが、導入費用が当初の予定を大幅に超過したために、ARH-70の開発も2008年10月16日に中止された(詳細はARH-70#開発中止を参照)。一方OH-58A/Cについては、同時期に汎用ヘリコプターとして採用されたUH-72によって代替されることとなった。 これに伴い、アメリカ軍は残存する339機のOH-58Dの電子機器の入れ替えと安全対策の強化を進めている。コックピットおよびセンサのアップグレードプログラム(CASUP)によりOH-58Dを改修したOH-58Fは2012年に初飛行し、A/C/D型から368機を改修する予定であった。実際の初飛行は2013年4月となり、2015年3月には低率生産が開始される予定となっていた。 3度目となる後継機選定の試みとして武装空中偵察機計画(英語版)が開始され、新機種に加えてOH-58Fより性能を向上させた改修案のOH-58F Block2も候補となったが、資金難からこれも2013年後半に中止されている。 さらに米陸軍の2015年度予算ではOH-58の退役が計画され、2014年5月にはベル社のCEOが陸軍からOH-58Fへの改修プログラムを中止する通知を受けたと述べた。OH-58Dの任務は今後AH-64Eにより代替され、機体は陸軍予備役(英語版)と陸軍州兵から移管した分で賄われる。短期的には攻撃ヘリによって任務を代替されることになるが、統合多用途・将来型垂直離着陸機計画では2030年以降にOH-58Dの直接的な後継機が計画されている。米陸軍のOH-58Dは、2017年9月18日にラストフライトが行われ、完全に退役した。
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