店舗閉鎖後の建物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 02:48 UTC 版)
「コンビニエンスストア」の記事における「店舗閉鎖後の建物」の解説
コンビニエンスストアが営業を終了し、閉鎖(完全閉店)して立ち退いたあとの店舗建物については、撤去される場合とそのまま残されて転用される場合がある。多くは建物所有者の意向や建物の状態、築年数、減価償却、そして利用用途などいくつもの要素が勘案されて決まる。 上述の通り、日本のコンビニエンスストアの店舗建物には軽量鉄筋プレハブの簡易建築が多い。コンビニチェーンのフランチャイズ契約は2000年代前半までは15年、現在でも[いつ?]10年程度が基本である。建物の減価償却・建築基準法・耐震基準などの観点からも、標準的なコンビニエンスストアの営業期間を超える長期間の使用を前提とした耐久力への配慮がなされている。 コンビニエンスストアが店舗を閉鎖して退去後の建物が再利用される、あるいは中古不動産として売却されるケースは都市部・郊外部のいずれも枚挙に暇がない。貸店舗として賃貸される場合だけでも、飲食店・理髪店・英会話教室・クリーニング店・レンタルショップ・コインランドリーをはじめ、企業・政治家の事務所など多種多様なものがテナントとして入っている。そのため、他業種でもコンビニ店舗跡の利用が多い業種では、機器類についてコンビニ店舗跡の利用を前提として設計されることがある。たとえばコインランドリーの大型の洗濯機や衣類乾燥機は、コンビニエンスストアの両開きドアを外すことなく内部に搬入して組み立てられる仕様で設計されている。また、コンビニ店舗閉店後、別のコンビニが入るケースもある。 一方で、コンビニエンスストアの退去後、貸店舗としての後継テナントが決まらぬまま、テナント募集中の空き状態が延々と続く店舗も見られる。ビルテナントの店舗の場合には原状回復後に新たなテナント入居希望者を募るのが基本で、退去後にはコンビニエンスストア時代の痕跡をまったくとどめないことも多い。ただ、いずれにしてもコンビニエンスストアの店舗は各チェーンごとの個性が強いうえ、現在では[いつ?]大半のフランチャイズチェーンで機器・什器類が各社専用仕様品のリースであり店舗が閉鎖されると即時撤去・返却され、店内はもぬけの殻になるため、後継テナントがどのような業種や小売店でもコンビニエンスストアからの居抜き出店は皆無に等しい。コンビニエンスストアの店舗跡地に競合チェーンのコンビニエンスストアの新規出店もあるが、特に大手チェーンでは、独立した建物の場合、いったん完全に更地に戻してから、あらためて自チェーンの仕様で新規に店舗建物を設置する手法が一般的である。 他方で、コンビニエンスストアの閉店・退去後に間を置かず建物が破却・撤去されることも多い。これは築年数や跡地利用の関係から撤去が決まることが多い。ほかにも簡易建築の建物が大半であるだけに、建設時の施工不良の見落とし、店舗営業中の度重なる改造やメンテナンスの手抜かりなどが要因となり、建物がいったん状態不良となってしまうとその補修費との釣り合いが取れないなどといった点が理由である。 交通量の多い幹線道路の沿道では、コンビニエンスストアの建設・開店・閉鎖が幾度となく繰り返されている。既存店が建物・駐車場の拡張のため同じ街道沿いの近隣地に移転することも多い。また、店舗閉鎖後に残された多くの建物が残存し貸店舗として供されており、大都市圏の主要な国道・県道やバイパス道路では少なからず、長い年月の経過の末に数キロ程度の区間にさまざまな業種で営業中の店舗・空き店舗を含めて何軒もの「現役コンビニ」と「コンビニ跡」の建物が乱立する状態になっている。
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