山田線列車脱線事故
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 15:00 UTC 版)
「日本の鉄道事故 (2000年以降)」の記事における「山田線列車脱線事故」の解説
★2015年(平成27年)12月11日 19時30分頃(列車脱線事故) JR東日本山田線の松草駅 - 平津戸駅間で、盛岡駅行きの上り最終普通645D列車(キハ110 - 132 1両編成)が線路上に崩れていた土砂に乗り上げ全軸が脱線、車体が進行方向右側へ傾き、乗客22名及び乗務員2名(運転士及び車掌)のうち、乗客1名が重傷、乗客14名及び運転士が軽傷を負った。山田線は翌12日には盛岡駅 - 上米内駅間、川内駅 - 宮古駅間で運転再開した が、事故の2日後には崩壊斜面上部3か所で亀裂が見つかり、事故現場を含む上米内駅 - 川内駅間については運休、盛岡 - 宮古間で並行する106急行バスによる振替輸送を実施している。 運輸安全委員会による調査によれば、斜面崩壊の原因は、「急な斜面であること及び風化により斜面表層部が不安定化していたところに降雨や融雪などにより斜面表層の重量が増加したこと」によるものとされている。なお、事故発生前の2015年12月5日に、崩壊箇所内で防護ネットの下から露岩が抜け出す、崩壊の予兆とみられる事象が発生していたが、この事象からの予測は困難であったとしている。 復旧に当たってJR東日本盛岡支社と林野庁東北森林管理局では2016年9月に斜面の安全対策工事に着手し、斜面上部の国有林は森林管理局が担当し、グランドアンカー約140本を打ち、約1万2000立方メートル土砂を撤去した。その後、5月の大型連休後に、JRにより脱線車両の重機による切断・撤去、斜面下部へのグランドアンカー約180本の打ち込み、表土約1000立方メートルの撤去が行われた。この復旧に当たって閉伊川には現場と国道106号をつなぐ仮設橋も整備した。そして、2017年11月5日に運転を再開した。 また、JR東日本では事故発生箇所周辺の施設管理者や地元自治体などで構成する「山田線土砂崩壊に関する斜面防災協議会」を設置している。 事故の当該車両であるキハ110-132は2017年5月に廃車された。
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