尾形源治とは? わかりやすく解説

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尾形源治

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/09 04:49 UTC 版)

尾形 源治(おがた げんじ、1892年9月9日 - 1978年8月6日)は日本柔道家講道館9段)。


注釈

  1. ^ 尾形に拠れば、天野竜太郎は白髪頭で身長は5尺1-2寸(155cm程度)で体重は十四、五貫程(52.5~56.25㎏)で、一見して吹けば飛ぶような体格だったがいざ稽古となると大男たちを手玉に取って投技・絞技に展開し、その素速い動きには驚かさせれたとの事[3]。指導方針として技の極意を門弟達に手取り足取り教える事は無く、自分の動きを見ていろと言うのみであった。更に「いつもを持ち歩き、稽古中にすら一杯キュッとやらかすので、先生と稽古をすると酒臭い息で大抵の者は参った」「善きにつけ悪しにつけ先生が手本を示されたので、自分は無理な稽古と暴飲暴食の自制を心掛け、結果的に長生きにつながったのかも知れない」とも述懐している[3]。天野は咽喉が強く、寒稽古納会では仰向けになって弟子4人を自身の両脇に構えさせ、両側から六尺棒で喉を目一杯押さえ付けさせるというパフォーマンスも見せていたが、その後天野は喘息で他界し、「いくら絞めても極まらないのに喉の病気で死ぬとは皮肉なものだ」と回想録を結んでいる[3]
  2. ^ 講道館でいう巴投を汲心流では“はりま投げ”と称した。相手が力任せに押してくるところを仰向けに身を捨て足で相手を持ち上げて投げる技。尾形の得意技で数多くの大試合で必勝したとされる。
  3. ^ 当時は柔道の起源たる東京の講道館と、武道の総本山を称する京都大日本武徳会は互いにライバル意識が強かった[2]。段位認定もそれぞれ別々に行っており、この状態は大日本武徳会解散に伴い段位が一本化される戦後まで続いた。
  4. ^ 他に選出されたのは須藤金作栗原民雄天野品市牛島辰熊小谷澄之古沢勘兵衛など。
  5. ^ 試合後、医学博士で柔道8段の山田康からは「包帯ではなく絆創膏にしておけば、寝技に自信のあるあなたが抑え込まれる事はなかっただろう」と慰められたという[6]
  6. ^ アテネ書房出版『柔道大事典』では“1982年没”とも紹介されている[7]

出典

  1. ^ a b c d 河田利夫 (1983年6月1日). “尾形源治 -おがたげんじ”. 山形県大百科事典、112頁 (山形放送) 
  2. ^ a b c d e f g h i j k くろだたけし (1980年10月20日). “名選手ものがたり12 -9段尾形源治の巻-”. 近代柔道(1980年10月号)、57頁 (ベースボール・マガジン社) 
  3. ^ a b c d e f 尾形源治 (1975年3月1日). “わざ・わざ・わざ -初心時代”. 機関誌「柔道」(1975年3月号)、4-6頁 (財団法人講道館) 
  4. ^ a b c d e f 野間清治 (1934年11月25日). “柔道教士”. 昭和天覧試合:皇太子殿下御誕生奉祝、802頁 (大日本雄弁会講談社) 
  5. ^ a b 工藤雷介 (1965年12月1日). “九段 尾形源治”. 柔道名鑑、5-6頁 (柔道名鑑刊行会) 
  6. ^ a b c d e f 工藤雷助 (1973年5月25日). “天覧試合と名勝負”. 秘録日本柔道、179-180頁 (東京スポーツ新聞社) 
  7. ^ 山縣淳男 (1999年11月21日). “尾形源治 -おがたげんじ”. 柔道大事典、70頁 (アテネ書房) 


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