専門家の団体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/25 04:06 UTC 版)
この分野にはいくつか専門家団体がある。1975年にできた科学社会論学会はもともとは研究者に雑誌(Science, Technology & Human Values)や年次大会などのコミュニケーション上の便宜を提供するものであった。主に科学論の研究者が出席していたが、この協会はそれ以来、世界中の科学技術論研究者にとって最も重要な専門家団体に成長した。科学社会論学会の構成員には、研究開発や科学技術政策に関心のある政府や産業界で働く人々、職業的実践がどう社会に根ざしているのかをもっとよく理解したいと考える科学者やエンジニア、くらしに対する科学技術の影響に興味のある市民もいる。団体の名称に「技術」という単語を加えてSTSの主要専門家団体としての立場を反映させようという動議が出たが、このままですら名前が長すぎるという意見も広くあるようである。 ヨーロッパでは、ヨーロッパ科学技術論学会が1981年に科学技術論文におけるコミュニケーション、意見交換、協働を促進するため作られた。同様に、ヨーロッパ科学技術社会論大学連合協会(ESST)は歴史的・同時代的両方の視点から社会における科学技術を研究調査するものである。 日本でも2001年、科学技術社会論学会(Japanese Society for Science and Technology Studies)、略称STS学会が発足している。学会誌は、『科学技術社会論研究』。 1958年に作られた技術史学会は初めは技術の文脈に基づく歴史に関心を抱いていた歴史の専門家を惹きつけていた。1980年代半ばの「技術指向」の後は、この学会が発行する評価の高い学術誌(Technology and Culture)と年次大会が技術研究に興味のある歴史家以外の人々からも多大な関心を寄せらるようになった。 これほどSTSと結びつけられているわけではないが、アメリカ合衆国のSTS研究者の多数にとって重要と考えられているのは科学史学会、科学哲学学会、アメリカ医学史学会である。さらに、アメリカ人類学学会、アメリカ政治学学会、アメリカ社会学学会など、主要な学術分野の学会の中にもとくにSTSを指向する重要な部会がある。
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