対称スピンネーカーの索具
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/08 14:37 UTC 版)
「スピンネーカー」の記事における「対称スピンネーカーの索具」の解説
通常、対称スピンネーカーは「タートル」と呼ばれる独自のバッグに収納されており、すぐに取り出せるように3つの角が上部にある。クリュー(下隅)は、シートと呼ばれるロープによって操作される。シートはフォアステイの前(外側)に走り、ボートの後ろに通じている。ヘッド(上隅)は、帆をマストまで持ち上げるために使用されるスピンネーカーハリヤードに取り付けられている。 対称スピンは、風上側のクリューをスピンネーカーポールに固定する。ポールはマストに取り付けられており、セールの風上の端を所定の位置でキープする。スピンポールを制御するシートは、ガイまたはブレースと呼ばれる。スピンポールは風の力で上下に動くようにすることができる。もしくは、ポールの角度を上げたり(トッピングリフト)下げたり(フォアガイまたはダウンホール)するためのロープが取り付けられている場合もある。これらのロープを使用する場合は通常、出航前にセットされ、スピンが収納されている場合でも所定の位置に残される。 スピンは風下に向かうときの帆であるため、使用中にタッキングすることはなく、ジャイブのみ行われる。対称スピンでジャイブをするとき、ポールは一方のクリューから取り外され、反対側のクリューに取り付けられる。これは常に風上側のクリューにポールが取り付けられるということである。これを行うには2つの方法がある。一般的に小型ヨットでは、マスト側のポールを外し、それを反対側のセールに繋ぐことで、end-for-endのジャイブが行われる。ジャイブ前にセール側だった方はセールから取り外されてからマストに取り付けられる。これにより、手順中にポールが緩むのを防ぎ、シートとガイとして交互に使用する2つの制御ラインのみを使用できます(これについては以下で詳しく説明します)。このやり方では、両端に同じ構造を備えたポールが必要となる。一方、大型のヨットでは、ポールをマストに取り付けたままで、ヘッドステーをクリアできるまでポールの前端を下げ、ジャイブ後にトッピングリフトで高さを適切な位置に戻すディップポールジャイブを行う。新しいコースで帆の角度を設定するために、ガイは以前と同じように調整される。ディップポールジャイブは、マスト側とセール側で構造が違うポールを使用できる。 小型のヨットは、各クリューにつき1本のロープのみを使用することが多い(ガイとシートを兼ねる)。スピンポールの先を通る風上ロープはガイと呼ばれ、風下側のロープはシートと呼ばれる。したがってジャイブの前後でこれらの役割、名前は逆になる。大型のヨットは、両側にシートとガイの両方を使用することを選択できる。ガイはより太いロープが用いられる。2セットのロープがあると、ジャイブ中はスピンは2本のシートで張られているため、船首とマストの船員が一方のガイをポールから取り外しもう一方に取り付けるときに、張力がかからず、ジャイブを簡単に行える。 スピン回収の手順は複数のステップからなり、テイクダウンは風の向きによって異なる。まず、風上のクリューがスピンポールから外され、ガイが解放される。これにより、スピンはメインセールの裏に回り込むので、そこで船員がフット(スピンの下側)を集める。その後、ハリヤードを下げ、船員がスピンを集めて慎重に「タートル」に詰め込む。その際、角を外に出しておくことで、次の展開に備えておく。ただし、状況に応じて、スピンを回収する方法は他にもたくさんある。コックピットに引き戻してから引き下げ、次のホイストまでにしまうか、デッキ前方のハッチに引き込んで次のホイストまで置いておく方法もある。
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