実際の言及例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 20:58 UTC 版)
「ルールすべてを無視しなさい」の記事における「実際の言及例」の解説
2012年にAmerican Behavioral Scientist(英語版)が、英語版ウィキペディアの削除プロセスであるen:Wikipedia:Articles for deletion(削除依頼、AfD)を分析した研究がある。英語版ウィキペディアの編集者が「ルールすべてを無視しなさい」を引用して存続票を投じた場合にはページは存続される可能性が高く、編集者が「ルールすべてを無視しなさい」を引用して削除票を投じた際には削除される可能性が高くなることがわかった。また、AfDが「ルールすべてを無視しなさい」とen:Wikipedia:Notability(独立記事作成の目安)の両方に言及する存続票をコメントに含んでいた場合には、記事が維持される可能性が高いこともわかった。これは、削除票には当てはまらず、管理者が「ルールすべてを無視しなさい」に言及して削除を支持した場合には、記事自体は存続される可能性が高かった。この研究は、方針が「個人の効力を強化して、官僚制の効力を下げる」ことによって作用するとして結論づけている。 ジョゼフ・M・リーグル・ジュニアの2010年の著書『Good Faith Collaboration』では、「ルールすべてを無視しなさい」は「賢い」とされ、メリットの本質を持っているものの、私論en:Wikipedia:What "Ignore all rules" means(「ルールすべてを無視しなさい」が意味するもの)に見られるような「資格を要することに違いない」としている。McGradyは、英語版ウィキペディアのen:Gaming the systemのガイドラインは「ルールすべてを無視しなさい」よりもウィキペディアの精神を伝えるのに適していると提案している。このガイドラインは、利用者がウィキペディアの方針を意図的に誤解することで、ウィキペディアの意図を損ねることを禁止しており、その行為を「ゲーミング」と呼んでいる。McGradyは、「ルールすべてを無視しなさい」は「あまりにも抽象的で、あまりにも頻繁に誤解を受けたり、誤用されたりしているため、それ自体が『ゲーミング』の対象になる」と批判している。 2015年の著書『Wikipedia and the Politics of Openness』で、 Nathaniel Tkacz(英語版)は、方針であるにも関わらず、「投稿者が自分の貢献を受け入れてもらいたいのであれば、ウィキペディアのルールを無視することは効果的な戦略ではない」としている。Tkaczは、「ウィキペディアは確固たるルールがある」とした一方で、しかし、それらは「いつも固定されているものではない」としている。 ウィキペディアの官僚主義を批判して、ダリウシュ・ジェミエルニアク(英語版)はこの方針は「実際には既に倒されている」と話し、このルールをいつ使用するべきかを説明する私論などが多数サイトに掲載されていることを指摘している。ジェミエルニアクは、この方針を「積極的に利用し、それについて教育する」ための「官僚主義を打破するための部隊」を設立することを提言している。『Slate (雑誌)(英語版)』のDavid Auerbachは、「ルールすべてを無視しなさい」は、ウィキペディア編集者が「議論に勝利する」ために偽善的に使っているものだと記している。
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