実写シーンの撮影
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/01 08:13 UTC 版)
「キング・コング (1933年の映画)」の記事における「実写シーンの撮影」の解説
1932年5月から6月にかけて『猟奇島』のジャングルセットで初めてコングのシーンが撮影され、この時撮影したシーンの一部はRKO取締役会に提出するテストフィルムに使用された。ジャングルのシーン撮影時には脚本が完成しておらず、台詞の大半がアドリブだった。ジャングルの撮影セットは『猟奇島』完成後に取り壊す予定だったため、クーパーはジャングルのシーンをこの時に全て撮影している。7月にシュードサックはニューヨーク港でエスタブリッシング・ショットの撮影を始め、その間に先住民の村の撮影準備が進められ、ロングアイランドの海軍飛行場では飛行機の離陸・飛行シーンが撮影された。ニューヨークの風景はエンパイア・ステート・ビルディングから撮影したものを使用しており、またビルの所有者から係留用マストの図面を入手し、ハリウッドのサウンドステージに実物大の模型を作り撮影した。 8月に島の上陸シーンとガス爆弾のシーンがカリフォルニア州サンペドロで撮影された。先住民の村のシーンはカルバーシティにあるカルバー・スタジオ(英語版)で撮影され、先住民の集落は『南海の劫火』の撮影セットが流用されている。また、島の壁のセットは『キング・オブ・キングス』の撮影セットに巨大な門や銅鑼、原始的な彫刻などを施して使用した。アンが生贄の祭壇に連れて行かれるシーンは数百人のエキストラと350個の照明を使い夜に撮影され、連れて行かれるアンを追うためにクレーンにカメラを取り付けて撮影が行われた。撮影中はエキストラの持つ松明から火災が発生することを危惧したカルバー消防局の隊員たちが周辺に待機していた。撮影終了後、城門や壁のセットは『風と共に去りぬ』で再利用され、アトランタ炎上シーンの撮影で破壊された。ニューヨークでホテルの女性がコングに投げ落とされるシーンは、サウンドステージでコングの多関節ハンドを使用して撮影した。同時にホテルの部屋にいたポーカープレイヤーの男性がコングの顔を見て驚くシーンもコングの上半身模型を使い撮影されたが、このシーンは最終的にカットされている。 9月から10月にかけて、先住民の村の撮影シーンを撮り終えたシュードサックがサウンドステージに戻ってきた。彼は同ステージにベンチャー号の船室と甲板の撮影セットを作り、船上のシーンを撮影した。撮影を終えたシュードサックはサンペドロに戻り港のシーンを撮影した。ブロードウェイ劇場のシーンはシュライン・オーディトリアムを1日貸切って撮影されている。10月末にアンとドリスコルがエンパイア・ステート・ビルディングの最上階で再会するシーンを撮影して主要撮影が終了した。この時点でシュードサックの仕事は完了し、彼は新作映画『Arabia』を撮影するためシリアに向かったが、この企画は途中で中止された。
※この「実写シーンの撮影」の解説は、「キング・コング (1933年の映画)」の解説の一部です。
「実写シーンの撮影」を含む「キング・コング (1933年の映画)」の記事については、「キング・コング (1933年の映画)」の概要を参照ください。
- 実写シーンの撮影のページへのリンク