安田記念2着 - 宝塚記念優勝
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 06:10 UTC 版)
「スイープトウショウ」の記事における「安田記念2着 - 宝塚記念優勝」の解説
エリザベス女王杯の後は、トウショウ牧場で放牧。年をまたいで古馬となった。この年は、距離の適性から天皇賞(春)は見送り、安田記念や宝塚記念への出走を目指した。6月まで適鞍がなかったことから、長期休養となった。3月中旬に帰厩する。それからは5月8日の都大路ステークス(OP)で始動し、格下相手に1番人気に推された。ゲートに正しく入ったが出遅れて後方追走、スローペースから追い上げたが届かず5着だった。 6月5日、目標の一つだった安田記念(GI)に臨む。香港から遠征する3頭を含めた18頭立て、牝馬は2頭のみで、もう1頭は、同期のダンスインザムードだった。5.8倍のテレグノシスが1番人気、6.8倍ダイワメジャー、7.5倍ダンスインザムード、8.6倍香港のサイレントウィットネス、10.3倍香港のブリッシュラックなどと続いていた。そんな中、スイープトウショウは17.6倍の10番人気だった。人気は割れて、12番人気までが20倍を切る混戦状態だった。スイープトウショウは、スタートで再び出遅れて後方を追走する。最終コーナーでは、外に持ち出しながら通過した。直線では大外から追い上げを開始。内から抜け出したサイレントウィットネスに並びかけたが、その二頭の間、真ん中から盛り返した7番人気アサクサデンエンに並ばれた。三頭横一線となっての叩き合いを演じたが、アサクサデンエンが一歩抜け出して優勝する。スイープトウショウとサイレントウィットネスは、2着争いを演じながら決勝線を通過。スイープトウショウは、アサクサデンエンにはクビ差後れを取ったが、サイレントウィットネスにアタマ差先着する2着となる。池添はこのレースの後「牡馬相手でも通用することもわかりました」と述べている。 続いて中2週で6月26日の宝塚記念(GI)に臨む。古馬中長距離の一線級と初対決となった。前年の宝塚記念優勝馬で、金鯱賞3連覇達成から参戦するタップダンスシチーが1.9倍の1番人気。前年の天皇賞(秋)、ジャパンカップ、有馬記念3連勝から半年ぶりに復帰するゼンノロブロイが3.0倍の2番人気。産経大阪杯2着や前年のダービー2着の4歳馬ハーツクライが続く3番人気だったが、18.3倍だった。以降、リンカーン、道営のコスモバルク、トウショウナイトと続いていた。牝馬は、アドマイヤグルーヴ、スティルインラブの牝馬限定GI優勝馬3騎で臨んだが、最高人気はアドマイヤグルーヴの8番人気31.2倍だった。そしてスイープトウショウは、38.5倍の11番人気の支持だった。 問題なくゲートに収まり、これまた問題なくスタートを切った。これまでよりも前目、15頭中8番手という好位、中団を追走した。前半の1000メートルは、59.9秒で通過するスロー寄りのペースだったが、その後のペースが緩まず、先行勢がスタミナを消費しながら先導する展開となった。第3コーナーから余力がなくなる馬も出始め、タップダンスシチーもその1頭だった。スイープトウショウは、第3コーナーから外に持ち出して進出を開始して進路を確保。仕掛けられないまま、余力を残したままに最終コーナーを通過。ゼンノロブロイと横並び、失速するタップダンスシチーを射程圏内に入れながらの通過だった。直線では、失速するタップダンスシチーをまずリンカーンが捉えていたが、スイープトウショウが仕掛けられて末脚を発揮すると、リンカーンを外から差し切り、ゼンノロブロイも封じて先頭となった。大外から追い込むハーツクライが接近してくるも先頭は守って入線。ハーツクライにクビ差をつけて優勝する。 GI2勝目。1966年エイトクラウン以来39年ぶり史上2頭目となる牝馬による宝塚記念優勝。また、日本調教牝馬として初めて、牝馬限定戦以外の2100メートル以上のGIを優勝した。さらに1999年グラスワンダー、2002年ダンツフレーム以来3例目となる安田記念2着からの宝塚記念優勝だった。加えてトウショウ産業株式会社は、トウショウボーイで制した1977年以来28年ぶりとなる宝塚記念優勝だった。宝塚記念後は、石川県の小松温泉牧場に放牧に出された。
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