学力との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/11 18:51 UTC 版)
「学力が低いこと」と「授業態度が悪いこと」は必ずしもイコールではない。しかし、現実には入学時の学力偏差値の低い学校ほど「荒れ」が目立つとされる。 入学に必要な学力が他校と比べてかなり低い学校のことを底辺校(ていへんこう)と呼ぶことがある。朝比奈なをは「偏差値40台前半以下の普通科の高校が「教育困難校」に該当すると考える。商業高校や工業高校等の専門高校は、受験偏差値は高くないところが多いが、そこでは専門的技術や資格の取得というわかりやすい目標があり、授業1つとっても、「教育困難校」とはまったく違う風景が広がる学校がほとんどである」と述べている。 高校受験では本人の学力と内申点などが大きく関わり、かつ中学浪人をタブー視する地域が多いため、中学卒業見込時点で、これらの点数が低い生徒の場合は合格可能校が限定されてしまう。生徒自身も、受験校を選ぶ段階では高校の序列を認識しており、学力により希望の高校に合格できる可能性があっても「偏差値輪切り」によって、本人が希望しない学校を受験させられてしまうことがある。そのため生徒本人にとって不本意な入学が起こりやすくなり、入学した学校での教育に意欲を持てない生徒が多くなることも、荒れの原因といわれる。 1980年代を中心として、工業高校、商業高校や、工業科や商業科といった専門学科に荒れが目立った時期があったのは、専門分野に対して興味のない生徒に対しても、偏差値のみを基準として画一的で硬直化した進学指導を行なったこと(偏差値輪切りという)も原因であるとされる。この指導は、普通科への進学に対しても同様に行われており、中学校教員によって学習成績の「平均点」を境界として受験先を決められてしまうことがある。その背景として、例えば「公立高校の不合格者を減らす」といった受験実績の獲得があるとされるが、この指導により一部の生徒の希望が反映されず、該当する生徒の学校、教員への不信感が大きくなってしまうことがある。その結果、進学先の学校、教員に対しても不信感を抱いてしまうことも少なくない。さらに、山間過疎地の高校は、中学卒業者の減少と成績上位者の都市部の高校への進学志向の強まりと共に定員充足率が低くなり、元々、通学圏の面積が広く寄宿舎を備えた高校も多かったことから、第二次ベビーブーム層で特に都市部の成績低位層の格好の入学ターゲットになって教育困難校となったケースもある。
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