子は鎹とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 子は鎹の意味・解説 

子(こ)は鎹(かすがい)

読み方:こはかすがい

子供への愛情から夫婦の仲がなごやかになり、縁がつなぎ保たれることのたとえ。


子は鎹

作者田中啓文

収載図書笑酔亭寿謎解噺
出版社集英社
刊行年月2004.12

収載図書ザ・ベストミステリーズ推理小説年鑑 2005
出版社講談社
刊行年月2005.7

収載図書ハナシがちがう!―笑酔亭寿謎解噺
出版社集英社
刊行年月2006.8
シリーズ名集英社文庫

収載図書仕掛けられた罪―ミステリー傑作選
出版社講談社
刊行年月2008.4
シリーズ名講談社文庫


子別れ

(子は鎹 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/11 13:34 UTC 版)

子別れ(こわかれ)は古典落語の演目の一つ。柳派初代春風亭柳枝創作落語[1]3代目麗々亭柳橋4代目柳家小さんの手を経て磨かれた人情噺の大ネタである。3代目麗々亭柳橋を作者とする説もある[1]

別題は「子は鎹」「強飯の女郎買い」「子宝」「逢戻り」等多数。主な演者には、5代目古今亭志ん生6代目三遊亭圓生5代目柳家小さんなどがいる。上方では2代目桂ざこばが演じている。

あらすじ

夫婦別れまでを上、花魁を家に入れるまでを中、夫婦が元の鞘に収まるまでを下とした三部構成であり[1]、通常は中の後半部分と下を合わせて演じることが多い。上は「強飯の女郎買い」、下は「子は鎹」の名で呼ばれることがある[1]

山谷の隠居の弔いですっかりいい心持ちになり、「このまま吉原へ繰り込んで精進落としだ」と怪気炎を上げる熊さん。

途中で会った紙屑屋の長さんを、「今日はオレがおごるから」と無理やり誘い、葬式で出された強飯の煮しめがフンドシに染み込んだと大騒ぎの挙げ句に三日も居続ける。

別名を『強飯の女郎買い』というこのパートは、5代目志ん生が一席の落語として練り上げた事で有名な噺である。

この部分のハイライトは、紙屑屋を吉原に誘う場面での掛け合いで、熊さんが「俺は金がある!」と威張るので、紙屑屋が質問してみると『一円』を皮切りにどんどん値下がりしていき、結局の所は『三銭』になる。

中(後半部分)

神田竪大工町の熊五郎は腕のいい大工だが酒好きなのが玉に瑕。ある日、泥酔して帰ってくると妻のお光に向かって女郎の惚気話まで始めてしまい、夫婦げんかの末にお光は一人息子の亀を連れて家を出てしまう。

熊はお光と離縁して女郎を身請けし、一緒に暮らし始めるが、彼女は一切の家事をせず、朝から酒を飲んでは寝てばかり。結局他所に男を作って出ていってしまう。

熊は酒を断って身請けした女とも別れて心を入れ替え、懸命になって働いたおかげでなんとか身を持ち直す。

妻子と別れてから三年後のある日、出入り先の番頭と一緒に先代旦那の隠居部屋に使う木口の良い木材があるが番頭は木材に詳しくない為、大工と言う仕事柄木口の良い木材を見極められる熊を「木口の良いのが 出るらしいから熊さん、一緒に木場に行ってもらえるかい?私では木口の良い木は分からないから」と誘い、承知をした為木場へと向かう途中で、友達と遊んでいる亀と出会う。番頭も三年振の親子の再会だからと「会って来たららどうか?」と促し、「直ぐに戻りますから」と番頭に言い、亀に声を掛けて家を出て行ってからの話を聞くと、あれ以来お光は炭屋の二階に間借りし、仕立ての仕事をしながら亀を育てているという。面目ない思いでいっぱいになった熊は亀に五十銭の小遣いを渡した上で、明日は鰻を御馳走しよう、自分と会ったことはお光には話すなと告げてその場を去る。

しかし帰宅した亀はもらった五十銭をお光に見つかり、子供が五十銭持ってる事はまずないので盗んで来たんではないかと厳しく詰問された。しかし熊に「お父っちゃんと会った事は言うなよ。おっかさんに五十銭はどうしたのか聞かれてもお父っちゃんに貰ったと言わずに知らないおじさんに貰ったって言えよ」と言われた為、「盗んで来たんじゃない。知らないおじさんに貰ったんだ」と言う。知らないおじさんに貰ったとしか言わない 亀に対してお光は「誰に貰ったのか言いなさい」と問うも、父との約束で「お父っちゃんに貰った」と言えずにいたら「誰に貰ったのか言えないんなら盗んで来たんだろう?」と問われるも「盗んでない。貰ったんだ」の一点張りで埒が明かない。しかしお礼をしなければと思うお光は観念せず、誰に貰ったのか問い続けるが、誰からか言わずにいる為、「誰から貰ったか言えないんならやっぱり盗んで来たじゃないかい?」と決め付けられた為、泣きながらも「違う。貰ったんだ」と訴える。すると、いくら問おても誰に貰ったのか言わない亀に痺れを切らしたお光に「誰に貰ったのか言わないとトンカチでぶつよ」と脅されてとうとう父親に会ったこと、小遣いは父親から貰った物だと白状してしまう。熊が女と別れ、酒もやめて真面目に働いているらしいことを亀から聞いたお光はうれしさを隠しきれないが、やはりまだよりを戻すのははばかられる。

翌日お光は亀に晴れ着を着せて送り出してやるが、自分もいても立ってもいられず、そっと後から鰻屋の店をうかがっていると、店主にみつかり、店内に呼び入れられて三年ぶりに熊と再会する。「偶然通り掛かった」と偶然を装ったお光は亀に小遣いくれた事や鰻をご馳走してくれた礼は言うものの三年振りの再会である為か何処か他人行儀ではなかなか気持ちを打ち明けられなかったふたりだが、亀のことばをきっかけによりを戻そうと決める。

「子は鎹と言いますからね」としみじみする夫婦に、横から亀が「子は鎹か。道理でおいらのことトンカチでぶつって言ったんだ」

バリエーション・『女の子別れ』

明治初期に三遊亭圓朝が、柳枝の原作を脚色し、あべこべに母親が出て行って、父親が子供と暮らすという「女の子別れ」として演じた[1]。この変更は、「男の子は父親につく」という、夫婦別れのときの慣習に基づいた改変であるが、現在はほとんど演じられていない。

なお、このバージョンは2代目三遊亭圓馬が上方に移植した事で、上方でも幅広く演じられるようになった。6代目笑福亭松鶴の口演が残されている。

トリビア

登場人物の亀吉の名の由来は諸説あるが、初代柳枝の幼名・亀吉からとった、3代目柳橋が実の長男の4代目柳橋の本名を採用した、などと言われている。

脚注

  1. ^ a b c d e 興津要『古典落語』講談社、2002年12月、399頁。 

子は鎹

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 11:24 UTC 版)

ことわざ

かすがい

  1. 子供への愛情から夫婦の仲がなごやかになり、縁がつなぎ保たれることのたとえ。かすがい二つの木材をつなぐコの字型曲がったくぎのこと。

「子は鎹」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「子は鎹」の関連用語

子は鎹のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



子は鎹のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの子別れ (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの子は鎹 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS