女王の統治と建築
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/10 20:59 UTC 版)
女王となったセミラミスはニヌス王の業績を超えるという野心を抱き、バビロニアに都市を建築することを決意して世界中から熟達した職人と200万人の男性を集めた。そうしてユーフラテス川を中心にバビロニアの各都市の周りに長大な城壁や塔、橋、宮殿や寺院を建設した。都市の中央はユーフラテス川に両断されており、西の王宮は三重の内壁に様々な動物やニヌス王とセミラミスが狩りを行う様子の浮彫が作られた。東の王宮にはニヌス、セミラミス、廷臣のほか現地でベロスと呼ばれるゼウスのブロンズ像が立ち並んだ。東の王宮と西の王宮の間は、ユーフラテス川をくぐるバビロンの川底トンネルで結ばれた。また、ユーフラテス川とティグリス川に沿って都市を造り商人たちのための取引所を設立した。さらにアルメニアの山々から巨石を切り出しバビロニアにオベリスクを建てた。これは『歴史叢書』の中で世界の七不思議の一つに数えられている。 セミラミスは諸々の建築が終わるとメディア方面に出兵し、いくつかの公園や碑文を作らせた。シャオン( Chauon)市には長く滞在し、従軍した者の中から見目麗しい兵士を選んで交わり、後にその者らを殺したのだった。その後、エクバタナ(現イラン西部の都市)へ向いザグロス山脈に到着すると、崖を切り崩し谷を埋めて通りやすい道路を敷き、都市に到着すると宮殿を立て治水工事を行った。そうしてペルシアとアジアの全領地を訪れては都市を築いたり、道路を整備したりした。また彼女は野営する際に、自身の宿営地に小高い丘を築かせるのか習慣で、それにより野営地全体を見渡したのだった。こうした結果、アジア全体に彼女の建築物が今日まで残り、それらは「セミラミスの作品」と呼ばれている。その後、エジプト方面を訪れリビアの大半を征服したあと、エジプトのシワ・オアシスにあるゼウス・アモン神殿で自身の最後について神託を求めた。それによると「セミラミスは男達の中から消え、アジアで不滅の栄典を得る。そして息子のニニュアスが彼女に陰謀を企てるときが最期となる」というものだった。エチオピアに向い諸々の仕事が終わるとバクトラに帰還した。
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