女性兵士の徴兵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 02:21 UTC 版)
徴兵対象は男性だけである国家が多く、女性も対象となる国はイスラエル、マレーシア、ノルウェー、北朝鮮、スウェーデン などである。 女性兵士の徴兵における課題点としては、性暴力の多さとその検挙率の低さが挙げられる。例えば北朝鮮では強姦が日常的であり、志願制の米兵では1日に50件程度の性暴力が確認されており、3割以上が強姦被害、6割以上が性的嫌がらせを受けている。 かつては、徴兵の義務が課せられたことが、男性のみに参政権等の権利が与えられる根拠となっていた が、アメリカの社会学者・マスキュリストのワレン・ファレルは、男性のみに徴兵制度が強制されている状態を男性差別であると指摘し、批判している。 志願制の国家では、男性しか志願できないことが女性差別になりうる。特に貧困層においては、経済的理由から入隊を希望する場合もあるため(経済的徴兵制)、2013年に、アメリカ合衆国議会は男女平等の原則に基づき、女性兵士の前線での戦闘行為を容認する法律の施行を2016年までにすすめることを決めた。大統領であるバラク・オバマは、この決定を男女平等への歴史的一歩と述べた。 イギリス帝国は、1917年に志願陸軍婦人部隊(Women’s Army Auxiliary Corps,WAAC)を結成していた。第二次世界大戦で女性を徴兵した唯一の国家であったが、補助地方義勇軍(後に王立婦人陸軍)や婦人補助空軍に配置され、輸送、電信、看護など後方支援が任務であり、不足していた国内での運転手として配置もあった。また階級も准大尉のような特別なものが使用された。 詳細は「:en:Women in World War II#Great Britain」を参照 エリザベス2世も徴兵され従軍している。 日本の国民義勇戦闘隊については、義勇兵役法により女性にも義勇召集に応ずる義務が課せられ、竹槍やなぎなたを使った白兵戦の訓練が実施されていたが、実際の軍事行動を行う事態には至らなかった。 ノルウェーでも、かつては徴兵は男性のみとなっていたが、2014年に女性も対象とする法案が可決し、2015年から女性の徴兵を開始した。訓練内容だけでなく、部屋も男女混合である。2018年から開始されるスウェーデンの徴兵制も同様に、女性をも徴兵の対象にしている。
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