大正昭和におけるメイドブームと源流及びその背景
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「メイド」の記事における「大正昭和におけるメイドブームと源流及びその背景」の解説
メイド・エプロンドレス姿の使用人や、女中・女給などにフェティシズム的な興味・傾倒を抱く文脈は、いわゆる狭義の文化における文脈のみにとどまらず、より広範なサブカルチャーの一環として存在していた。古くは純文学者の太宰治がカフェの女給(ウェイトレス)に惹かれ、また帝国海軍が士官クラブの女給にメイド用のコスチューム(エプロンドレス)を採用した例などがある。また2000年代以降のメイド喫茶の成立以前より、ウェイトレスの制服にメイド服やそれに近いエプロンドレスなどを採用する喫茶店などの飲食店も古くから存在しており、いわゆるマンガ・アニメ ヲタクの世界に限定した話ではなく、より一般的なコスチュームフェチの一環として、他の典型的なコスチューム(たとえばセーラー服やチャイナドレス、袴や巫女装束など)の間に埋没していた時期が長い。 漫画やアニメなどにおいても、メイドやメイド服姿は単なる端役としてはメイド萌えが起こる以前から散見され、1970年代の漫画『はいからさんが通る』(作者:大和和紀)は、大正年間を舞台としながらも、メイドを含む各種コスチュームが多く見られる好例である。1970年代から90年代まで日曜夜のゴールデンタイムに放送されお茶の間に浸透していたテレビアニメの世界名作劇場シリーズは、西洋の近世を舞台とした文芸小説を多く原作としており、メイドや執事がたびたび登場していた。 また、現在のメイドブーム成立以前の至近な例としては、漫画「フェザータッチオペレーション」(作者:柴田昌弘)の後書きにおいて、「電子頭脳生肉少女のコスチュームをメイドルックにしようとしたが、あざとすぎるのでやめた」などという趣旨が語られており、メイドブーム成立直前のオタク層におけるメイドの捉え方を理解する意味では貴重な証言といえる。
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