優秀船舶建造助成施設
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優秀船舶建造助成施設(ゆうしゅうせんぱくけんぞうじょせいしせつ)は、日本政府が1937年(昭和12年)から実施した高性能商船の建造費用について補助金を交付する造船振興政策である。国際情勢の悪化に対応し、有事の徴用に適した高性能商船の増強を図る軍事目的が重視された。助成対象船は予定通り太平洋戦争において特設艦船などとして戦力化された。
注釈
- ^ ただし、日本郵船は近海郵船の名義でも1隻割り当てられている[8]。
- ^ 第1種船の中止船は日本郵船の予定船名「阿波丸」で、代わりに予定船名「安芸丸」が「阿波丸」へ、予定船名「三島丸」が「安芸丸」へそれぞれ船名差し替えされて竣工している[10]。第2種船の中止船は北日本汽船の発注分で、船種は米田(1978年)・岩重(2011年)によれば貨物船[8][10]、日本造船学会(1977年)によればタンカーである[11]。
出典
- ^ 米田(1978年)、271頁。
- ^ a b 米田(1978年)、272頁。
- ^ 米田(1978年)、273-274頁。
- ^ 日本造船学会(1977年)、314頁。
- ^ 米田(1978年)、276-277頁。
- ^ a b 岩重(2011年)、28頁。
- ^ 参謀本部 「優秀船特別施設ニ関スル件」『昭和十二年 密大日記』第6冊、アジア歴史資料センター(JACAR) Ref.C01004327000
- ^ a b 米田(1978年)、278頁。
- ^ a b c 米田(1978年)、279頁。
- ^ a b 岩重(2011年)、29頁。
- ^ 日本造船学会(1977年)、316頁。
- ^ a b 井上洋一郎『日本近代造船業の展開』(ミネルヴァ書房、1990年) ISBN 4-623-02027-4 第七章 造船不況とその克服 二 船舶改善助成施設 189頁
- 1 優秀船舶建造助成施設とは
- 2 優秀船舶建造助成施設の概要
- 3 助成船一覧
大型優秀船建造助成施設
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「優秀船舶建造助成施設」の記事における「大型優秀船建造助成施設」の解説
大型優秀船建造助成施設は、優秀船舶建造助成施設に続いて予算承認された造船振興政策で、一段と大型高速化した豪華客船を対象としたものである。当初は同じ1937年度予算での着手を計画し、原案では2万6千総トン以上・24ノットの客船2隻の建造費用(1隻2400万円)の8割を補助する内容であったが、予算不足のため翌1938年度開始にずれ込んだ。助成額も、建造費用の6割相当へ減額されている。 計画段階で、有事の際は3ヶ月以内に軍艦に改造するという条件が明確に定められていた。実質的には、中型空母改造候補である日本郵船サンフランシスコ航路用の橿原丸級貨客船「橿原丸」と「出雲丸」の2隻の建造を前提としたものである。1940年(昭和15年)に東京で開催が予定されていた第12回オリンピック大会の外国人客誘致策の一環であった。日本郵船は、建造費の助成割合が原案から削られたうえ運航経費も採算が取れないとして建造をためらったが、政府による損失補てんの内約を受けてやむなく引き受けた。表面は政府の要請でも実質は海軍の命令であった以上、日本郵船としては躊躇しながらも拒否はできなかった。2隻とも1939年(昭和14年)に起工され、建造中の1940年10月に海軍により買収、飛鷹型航空母艦として竣工した。
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