大型五十銭黄銅貨
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 16:48 UTC 版)
「臨時補助貨幣#戦後の黄銅貨幣」も参照 品位:銅60% - 70%、亜鉛40% - 30% 量目:4.5g 直径:23.5mm 図柄:菊花紋章、鳳凰、「五十錢」(表面)、鍬、つるはし、稲、麦、魚、歯車、「日本政府」、年号(裏面) 周囲:ギザあり 発行開始:1946年(昭和21年) 臨時通貨法による貨幣の一つ。終戦直後、造幣局ではわずかな手持ち資材を使って稲十銭アルミ貨と鳩五銭錫貨を製造していたが、間もなくこの手持ち資材が枯渇する見通しとなり、新たな貨幣材料の確保が課題となっていた。そこで、軍が使用していた薬莢、弾帯、黄銅棒など黄銅の材料が多量に存在することが判明し、1946年(昭和21年)5月から大型五十銭黄銅貨の製造が始まった。 国名表記は稲十銭アルミ貨・鳩五銭錫貨と同様に「日本政府」となっており、文字は隷書体が採用されている。またこの貨幣以降戦後の黄銅貨について、広範囲の組成が許容されているのは、前述のスクラップを素材としたためで、現在の五円硬貨の規定でもその名残でそのままとなっている。 しかし、新円切替直後のこの時期は戦後処理によるインフレーションが激しく、素材価値と額面が接近し、鋳潰しの危険を生じるようになったため、発行翌年の1947年(昭和22年)には小型五十銭黄銅貨に切り替えられた。大型五十銭黄銅貨の年銘としては、昭和21年銘は普通に存在するが、小型五十銭黄銅貨に切り替えられる前の昭和22年銘は日銀に引き渡された(発行された)ものの、ほとんど流通せず鋳潰されたため、昭和22年銘の大型五十銭黄銅貨の現存数は極めて少ない。
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