大プリニウスの記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/17 04:43 UTC 版)
ガイウス・プリニウス・セクンドゥス(大プリニウス) は、『博物誌』第6巻第20章でセレスに言及している。彼も東方のスキュティアと荒野を挟んだ反対側にセレスがいるとした。また彼の前のヴェルギリウスと同様、大プリニウスも明らかに養蚕を誤解していた。彼は、絹は何かしらの樹木からとれるものと考えていた。おそらくは綿製品と混同していると思われる。 それから進むと、さらにスキタイ人がおり、さらにまた野獣の住む荒れ地があり、ついにタビスと呼ばれる山脈に達するが、これは海に覆いかぶさる断崖をなしている。そして北東に面しているその海岸の全長のほぼ半ばを進んだ時に初めて人の住む地域がある。最初の人間居住者はセレスと呼ばれ、彼らの森から得られるあらゆる毛織物で有名だ。彼らは歯を見ずにつけた後、その白い綿毛を梳き取る。そして我が国の婦人たちに、その繊維をほぐし、さらに折り合わせるという二重の仕事を与える。 4世紀のアンミアヌス・マルケリヌスも同様のことを語っているが、それに先立つ2世紀のパウサニウスはセレス(中国人)が飼っているカイコが絹を作るもとになっていることを知っていた。彼は、中国を訪れた外交化や商人に注意を払うべきことを示唆している。 他の部分では、大プリニウスは、セレスの鉄はパルティアのものをも凌ぐ世界最高の質であると述べている。 さらに彼は、クラウディウス帝のもとにやってきたタプロバナ(セイロン島)の使節が話した興味深い情報を取り上げている。これによれば、セレスというのはタリム盆地のトハラ人のようなインド・ヨーロッパ語族の人々をさしている可能性もある。 また彼らの島のインドに面した側面は長さ一、二五〇マイルで、島はインドの南東に位しているということ、そしてヘモドスを超えて中国人の国にも相対していること、この中国人は交易によっても知られており、ラキアスの父親がそこへ旅行したことがあったが、そこへ到着するやいつも中国人が急いで浜へ下ってきて彼らを迎えると語った。彼らの話では、中国人は普通よりも背が高く、亜麻色の毛髪と青い目をしており、荒々しい口調でものを言い、旅行者と取引するときは言語を用いない。
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