外部の反応
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/30 01:57 UTC 版)
knolが2007年12月に発表されて以来、knolを企画したGoogleの動機や、運営者というよりむしろコンテンツの作り手としての立ち位置についてさまざまの憶測が流れた。ガーディアンのJack Schofieldは、「knolはメディア産業全般への攻撃を象徴している」と説く。 knolは、ウィキペディアやスカラーペディア、About.comのような百科事典サイトのライバルとして描写されると同時に、ウィキペディアへの補完物ともみなされてきた。ウィキペディアを運営している非営利のウィキメディア財団は、「良質のフリー・コンテンツは多ければ多いほど良い」とGoogleのknolを歓迎した。ウィキペディアの記事が複数執筆者により「中立的な観点」という方針で執筆されるのに対して、knolは著者の存在を強調することにより個人に焦点を当て、Everything2 や Helium.comの記事同様、knolは著者の個人的見解を含んでいた。 knolの形式を見て、ウィキペディアよりむしろAbout.comに近いという人々もいた。DailyTechのライター、Wolfgang Hanssonによれば、knolはそもそもGoogleがAbout.comの買収を検討した時に企画されたのかもしれないという。Hassonは、About.comの買収を良く知る複数のソースによれば、GoogleはAbout.comを買収しようと計画していたが、About.comの幹部はGoogleがAbout.comのモデルをウィキスタイルに変更する予定だと知ったという。これが実現していれば、およそ500人のAbout.comの「ガイド」はレイオフされることを意味した。 Googleの検索結果が利害の対立がある時にも中立的であり続けられるかどうかについて議論した人々もいた。Search Engine Landの編集者、Danny Sullivanによれば、「knolのページをサーチエンジンで見つけやすくするというGoogleのゴールは、不偏・無作為であるべきというGoogleの必要と対立する」という。Center for Digital Democracyのexecutive director、Jeff Chesterも同様の懸念を示す「結局のところ、Googleのビジネスとその社会的目標との間には基本的な対立がある。今目にしているのは、Googleが広告モデルを採用しつつあるところであり、そこでは、人々が自由にアクセスできるものに対して金銭が大きなインパクトを持つだろう」。 こういった懸念に対して、GoogleはYouTubeやBlogger、Google Groupですでに大量のコンテンツをホスティングしていて、knolのケースもこれらと大差はないという指摘もあった。テクノロジー分野のコメンテイター、ニコラス・G・カーは、Googleはもっとも人気のあるknolページが検索結果の中で自然に上位に来て、ウィキペディアに対抗してGoogleの広告を表示する新たなコンテンツ領域を提供することを期待していると述べて、Googleが検索結果を操作するかもしれないという予測は却下した。
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