変換 (数学)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/04/19 10:16 UTC 版)
数学的意味での変換(へんかん、transformation)とは、点を他の点に移したり、式を他の式に変えたり、座標を取り替えたりすること。
概要
もっとも単純には、一つの集合 A が与えられたとき、A の各元 a に対して、A の元 b をただ一つ a の行き先 f(a) として指定するような対応規則 f のことである。すなわち、A から A 自身への写像(または関数)を (A の、A 上の、A 上で定義された、あるいは A における)変換というのである。文脈によっては、特にことわりなく可逆変換(全単射でしたがって逆写像を持つ変換)を意味することがある。
ただし通常、変換という語を用いるとき、与えられた集合には距離空間の位相やベクトル空間などの何らかの構造が入っているのが普通である。そして、(主に幾何学的な)構造を持つ集合 A に対しては、A 上の変換という語は、A から A 自身への構造を保つ写像に対して用いる。すなわち、写像 φ A → A でその像 φ(A) = {φ(a) | a ∈ A} ⊂ A が A と同様の数学的構造をもつ(言い換えれば φ(A) が A の部分系となる)ようなものに限って変換という語を充てるのである。
特に、幾何学では点からなり、距離(大きさ)や連結性などの位相的な構造によって束縛された集合である図形が対象であり、空間(面、線、点あるいは一般の位相空間)における変換により図形は一般には変形される(英語のtransformation(変換)には変形の意味もある)。ただし、回転や平行移動などの図形の形状を変化させない変換もある。
代表的な変換には射影変換とその特別な場合であるアフィン変換がある。これらは線形変換の仲間である。
冒頭で、変換は集合を自分自身に移す写像であると述べたが、必ずしも集合や写像という言葉に拘泥する必要はない。実際、圏論においては圏の対象として集合という実態は必ずしも必要でなく、圏の射は写像である必要を持たない。したがって変換という言葉もさらに広い意味で用いられることがある。(cf. 自然変換(関手間の射))
関連項目
「変換 (数学)」の例文・使い方・用例・文例
- この場合は専用の変換ソフトを使え
- エネルギーの変換効率が高い
- まずあなたが日本語変換ソフトの使い方を覚えます
- それが高いジベレリン活性並びに高基質変換機能を有する
- それが00:00:00の形式に変換します
- それがフォーマットファイルをテキスト形式の地震波ファイルに変換します
- 彼がふたたび変換魔法の呪文を唱える
- これらのマイクロチップはデジタルコードを通常のテレビ信号に再変換するのに用いられる。
- 送受波用変換器をオンにする
- かな漢字変換システムの変換候補
- tsv形式でファイルを送ってくれませんか?ods形式に、さらにcsv形式に変換します。
- 操作卓のボタン一つで変換がはじまります。
- それは変換機の中に内蔵されている。
- これはプラント内で他の物質に変換される。
- 私は今そのデータを変換しているところです。
- それらは互いに変換可能である。
- ファイルを変換する
- 海外で使用する場合、電源形状に合った変換プラグが必要となります。
- 変換にはかなりの時間がかかる。
- このファイルをウインドウズ95対応のファイルに変換して再送してくれますか。
変換数学と同じ種類の言葉
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