ルジャンドル変換とは? わかりやすく解説

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ルジャンドル変換

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/02/14 02:03 UTC 版)

ルジャンドル変換(ルジャンドルへんかん、: Legendre transformation)とは、凸解析において、関数変数をその微分に変えるために用いられる変換である。このとき実数関数 f(x) は微分可能でなくてもよいが連続関数だとする[1]

名前はフランス数学者アドリアン=マリ・ルジャンドルに因む。ルジャンドル変換は双対性、つまり凸な関数 y = f (x)(x, y) の点の集合によって表現できるが、それらの傾き切片の値で指定される接線の集合によっても等しく充分に表現できることに基いている。

凸関数をルジャンドル変換する際、変換前の関数が保持している情報は、変換後の関数においても完全に保たれる[2]解析力学においてはこの性質を利用して、ラグランジアンからルジャンドル変換によってハミルトニアンが得られる(⇒#解析力学)。物理学等において他にも広く応用されており、熱力学における熱力学関数間の変換などにも用いられる(⇒#熱力学)。

ルジャンドル変換をより一般化したものはルジャンドル=フェンシェル変換と呼ばれる。

なお、与えられた関数をルジャンドル多項式やルジャンドル陪多項式を展開の基底関数に用いて、それら展開係数を求める変換のことも、ルジャンドル変換 (Legendre Transform) と呼ばれる。

定義

定義 (ルジャンドル変換) ― 

関数
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主に: 多変数関数のルジャンドル変換の性質 2019年1月

二重共役

±∞を取らない凸関数は2回ルジャンドル変換を取るともとに戻る:

定理 ― ±∞を取らない)凸関数

ルジャンドル変換で繋がっている熱力学関数とその変数のまとめ。

熱力学では、熱力学関数間の変換、すなわち内部エネルギー U(S, V)エンタルピー H(S, p)ヘルムホルツの自由エネルギー F(T, V) に、またそれらからギブスの自由エネルギー G(T, p) に変換する際にルジャンドル変換が用いられる。

解析力学におけるルジャンドル変換にThermodynamic square英語版を適用したときのオイラー=ラグランジュ方程式。
Thermodynamic square英語版を適用したときの正準方程式。

解析力学では、ラグランジアン Lハミルトニアン H に変換する際に、ルジャンドル変換が用いられる。座標を q としたときに正準運動量p = ∂L/∂·q として、ハミルトニアンは

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ルジャンドル変換

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 15:26 UTC 版)

熱力学ポテンシャル」の記事における「ルジャンドル変換」の解説

完全な熱力学関数には自然な独立変数の組があり、同じ状態量であっても変数異なればそれは完全な熱力学関数とはならない例え内部エネルギー U は、エントロピー S に替えて温度 T を変数に持つときには完全な熱力学関数とはならない。系の平衡状態指定する状態変数の組が (T, V, N, X) である場合は、ルジャンドル変換 d F = d ( U − T S ) = − S d Tp d V + ∑ i μ i d N i + x d X {\displaystyle dF=d(U-TS)=-S\,dT-p\,dV+\sum _{i}\mu _{i}\,dN_{i}+x\,dX} によってヘルムホルツエネルギー F(T, V, N, X) が完全な熱力学関数となる。 エントロピーに対してもルジャンドル変換を考えることができて d Ψ = d ( S − β U ) = − U d β − p T d V + ∑ i μ i T d N i + x T d X {\displaystyle d\Psi =d(S-\beta U)=-U\,d\beta -{\frac {p}{T}}\,dV+\sum _{i}{\frac {\mu _{i}}{T}}\,dN_{i}+{\frac {x}{T}}\,dX} などの完全な熱力学関数導入することができる。なお、この関数ヘルムホルツエネルギーと Ψ = −F/T の関係にある。 熱力学ポテンシャルとその変数の例表示熱力学ポテンシャル記号と定義自然な変数全微分エネルギー表示 内部エネルギー U (S, V, N) dU = TdS − pdV + μdN エンタルピー H = U + pV (S, p, N) dH = TdS + Vdp + μdN ヘルムホルツエネルギー F = UTs (T, V, N) dF = − SdT − pdV + μdN ギブズエネルギー G = F + pV (T, p, N) dG = − SdT + Vdp + μdN グランドポテンシャル J = F − μN (T, V, μ) dJ = − SdT - pdV − Ndμ エントロピー表示 エントロピー S (U, V, N) dS = (1/T)dU + (p/T)dV − (μ/T)dN マシュー関数英語版) Ψ = S − U/T = −F/T (β, V, N) dΨ = −Udβ + (p/T)dV − (μ/T)dN Planck関数 Φ = Ψ − (p/T)V = −G/T (β, p/T, N) dΦ = −Hdβ − (V/T)dp − (μ/T)dN Kramers関数 q = Ψ + αN = −J/T (β, V, α) dq = − Udβ + (p/T)dV + Ndα

※この「ルジャンドル変換」の解説は、「熱力学ポテンシャル」の解説の一部です。
「ルジャンドル変換」を含む「熱力学ポテンシャル」の記事については、「熱力学ポテンシャル」の概要を参照ください。

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