ルジャンドル変換
ルジャンドル変換
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/25 15:26 UTC 版)
「熱力学ポテンシャル」の記事における「ルジャンドル変換」の解説
完全な熱力学関数には自然な独立変数の組があり、同じ状態量であっても、変数が異なればそれは完全な熱力学関数とはならない。例えば内部エネルギー U は、エントロピー S に替えて温度 T を変数に持つときには完全な熱力学関数とはならない。系の平衡状態を指定する状態変数の組が (T, V, N, X) である場合は、ルジャンドル変換 d F = d ( U − T S ) = − S d T − p d V + ∑ i μ i d N i + x d X {\displaystyle dF=d(U-TS)=-S\,dT-p\,dV+\sum _{i}\mu _{i}\,dN_{i}+x\,dX} によってヘルムホルツエネルギー F(T, V, N, X) が完全な熱力学関数となる。 エントロピーに対してもルジャンドル変換を考えることができて d Ψ = d ( S − β U ) = − U d β − p T d V + ∑ i μ i T d N i + x T d X {\displaystyle d\Psi =d(S-\beta U)=-U\,d\beta -{\frac {p}{T}}\,dV+\sum _{i}{\frac {\mu _{i}}{T}}\,dN_{i}+{\frac {x}{T}}\,dX} などの完全な熱力学関数を導入することができる。なお、この関数はヘルムホルツエネルギーと Ψ = −F/T の関係にある。 熱力学ポテンシャルとその変数の例表示熱力学ポテンシャル記号と定義自然な変数全微分形エネルギー表示 内部エネルギー U (S, V, N) dU = TdS − pdV + μdN エンタルピー H = U + pV (S, p, N) dH = TdS + Vdp + μdN ヘルムホルツエネルギー F = U − Ts (T, V, N) dF = − SdT − pdV + μdN ギブズエネルギー G = F + pV (T, p, N) dG = − SdT + Vdp + μdN グランドポテンシャル J = F − μN (T, V, μ) dJ = − SdT - pdV − Ndμ エントロピー表示 エントロピー S (U, V, N) dS = (1/T)dU + (p/T)dV − (μ/T)dN マシュー関数(英語版) Ψ = S − U/T = −F/T (β, V, N) dΨ = −Udβ + (p/T)dV − (μ/T)dN Planck関数 Φ = Ψ − (p/T)V = −G/T (β, p/T, N) dΦ = −Hdβ − (V/T)dp − (μ/T)dN Kramers関数 q = Ψ + αN = −J/T (β, V, α) dq = − Udβ + (p/T)dV + Ndα
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