塞栓材料の変移
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2017/01/23 19:43 UTC 版)
「がんカテーテル治療」の記事における「塞栓材料の変移」の解説
リピオドール 本来は油性造影剤であるが、液体塞栓物質の1つとして、肝細胞癌の栄養動脈から注入した場合、排出路の門脈枝まで塞栓することが可能で、対象腫瘍に対して強い塞栓強度を達成することが出来る。現在でも主軸の塞栓材料の1つであるが、開発当初期待された薬剤放出機能はほとんどないと考えられている。 非球状塞栓物質(ゼラチンスポンジ) 日本ではスポンゼルの名称で親しまれた、外科手術時に出血部に当てることで止血を促す材料の1つ。これを1mm前後の細片に加工して、肝腫瘍の栄養血管に対する塞栓材料として使用した。吸収性材料であるため永久塞栓効果はない。現在は、1mm大、2mm大に加工された製品も販売されており、肝細胞癌治療に対して一般的に使用されている。 球状塞栓物質(ビーズ) 他の塞栓材料と比較した最大の特徴は、粒子サイズが均一で狙ったサイズの血管を塞栓できること、粒子表面が平滑で凝集しにくいこと、が挙げられる。永久塞栓物質に属しており、1997年にビーズの1種が欧米で認可され、その後現在までに複数のビーズが海外で承認された。日本でも一部の施設で独自開発されたビーズを10年以上前からオフラベルで臨床使用されてきたが、国内で正式にビーズが使用可能になったのは2014年2月である。現時点では承認間もないこともあり、一部の特殊な施設を除いてビーズに関する日本での治療経験はまだ乏しいと言わざるを得ない。現時点で3種類のビーズが国内で使用可能となった。高い塞栓力がビーズの魅力の1つであるが、さらに一部のビーズは粒子内部に抗癌剤を含有してこれを腫瘍内で放出する薬剤溶出性ビーズ(Drug-eluting bead: DEB)として使用可能である。
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