塞栓術・閉塞術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/19 02:05 UTC 版)
血管を塞栓あるいは閉塞させることにより出血や腫瘍に対する治療を行う。たとえば脾腫や子宮筋腫の治療(子宮動脈塞栓術)などが行われる。また、肝疾患では肝硬変の患者でよく血管内治療を応用した治療が行われている。悪性疾患では肝細胞癌にたいする動脈塞栓化学療法(TACE:Transcatheter Arterial Chemo-Embolization)が特に広く行われている。最近では、肝細胞癌のみならず転移性肝癌や肺癌、一部のリンパ節転移、骨盤臓器癌腫等に応用され、一般的にがんカテーテル治療と呼ばれるようになりつつある。また、脳動脈瘤に対するコイル塞栓術も行われている。 塞栓例 ◇Gelpart®, Gelfoam®, スポンゼル®など合成品を流し閉塞させる。 ◇自己血凝血塊(auto clot)を流し閉塞させる。 ◇プラチナコイルや羽毛、絹糸を挿入し閉塞させる。あるいは未破裂の脳動脈瘤ではプラチナコイルを挿入し、動脈瘤内で凝血塊を形成させて破裂を未然に予防することもある。 ◇ビーズ (血管塞栓用球状塞栓物質)を流し腫瘍のなかの栄養血管まで阻血させる。 肝硬変が進行すると門脈血が肝臓を経由せず直接大循環に還流しようとして胃食道静脈瘤が形成される。胃食道静脈瘤に対しては内視鏡的に硬化結紮療法が行われているが、大きな胃静脈瘤に対してはバルーン閉塞下逆行性経静脈的塞栓術(B-RTO)も行われる。
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