報道から議会へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 14:22 UTC 版)
「桶川ストーカー殺人事件」の記事における「報道から議会へ」の解説
『ザ・スクープ』の特集第1弾放送から3日後の3月7日、番組を視聴した民主党議員・竹村泰子が、参議院予算委員会において、田中節夫警察庁長官と同庁刑事局長に対し事件についての質問を行った。被害者家族が最初に警察へ被害を申告した際の対応については、刑事局長は「ものを返せというやりとりの内容で、その段階ではさらに上級の捜査員とも相談して聞いたところ、物品のやりとりのことなので、市民相談というか、弁護士などのところで相談したらいかがか、という指導をしたように聞いている」、そのほかの事案については「詳細は把握していない」とした一方で、「たいへん困っていて訴えてきている方に、消極的な印象を与えるような言動、対応があったということならたいへん遺憾なことと思う」と答弁した。また事件全体についての重要人物であるAを逮捕できず自殺に至らせたことについては、田中、刑事局長ともに「残念」とした。また、被害者への相談対応を行っていた署員の現況について質問が及んだ際、刑事局長は「存じていない」とした一方で「いい加減に扱ったことはないものと承知している。それなりに訴えを聞き、告訴に関しては下書きをして、注意事項を与えて告訴を受理し、連絡すべきは連絡を取り、そういう風に対処していたものと信じている」と答弁し、これに対して竹村が「想像でものを言ってもらっては困る。予告しているのに、なぜ調べてくれないのか」と問い質すと、刑事局長は「怠慢でございました」、「ただいまの答えは、まことに不適切だった。急に質問を受けたためにお答えできませんでした」と答弁を直した。 同日、県警刑事部長は告訴取り下げ要請の事案について、署員による「(被害者家族が)告訴を取り下げを要請されているかのような誤解」を生む発言があったとして、遺憾の意を示した。翌8日に行われた国会質問では、捜査員は従前と同じ職務に就いていることがまず報告され、さらに告訴取り下げ要請の有無が質問された。刑事局長は「県警のこれまでの報告では告訴の取り下げを求めた事実はないが、話の流れの中で、一連の過程で、『公判でプライバシーが明らかになってもいいんですか』とか、『告訴は被疑者が捕まってからでもいいんですよ』といったなど、告訴を下ろせという印象を与えるような発言は極めて不適切で、その理由は、さらに確認するよう、埼玉県警を指導している」と述べた。3月9日には県警刑事部長が埼玉県議会に召喚され、捜査の中で「一部に被害者の心情への配慮に欠ける不適切が言動があった」「警察が告訴の取り下げを依頼しているといった誤解を被害者に与えたとすれば、誠に不適切な発言であったと思う」と述べた。 こうした議会答弁を受け、警察記者クラブからの質問を受けた被害者の父親は「告訴を取り下げてもらえませんか」というはっきりとした要請があったと文書で改めて説明。3月10日、県警は告訴取り下げ要請の有無を含めた署員の一連の事件対応について、検証チームを組織し調査するとした。なお、3月25日に放送された『ザ・スクープ』の特集第3弾では、被害者の父親による「言った言わないがいちばんの問題ではなく、なんでうちの娘が殺されてしまったのか、助けてくださいと言っているのに、なぜ助けてくれなかったのかというところがいちばんの問題」というコメントが流されている。
※この「報道から議会へ」の解説は、「桶川ストーカー殺人事件」の解説の一部です。
「報道から議会へ」を含む「桶川ストーカー殺人事件」の記事については、「桶川ストーカー殺人事件」の概要を参照ください。
- 報道から議会へのページへのリンク