報道2日目
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/05 03:03 UTC 版)
Aが逮捕された段階での13日朝刊で、各紙はAの顔写真を載せたうえで実名報道へ切り替え、さらに住所や職歴などについても詳しく報じた。報道は、数面を割いてAのプライバシーに言及する一方、逮捕の恐喝容疑については警察発表を十数行載せるのみであり、別件逮捕の問題点を指摘する報道はほぼ皆無であった。 なかでも毎日新聞は、1面トップ大見出しでAの逮捕を報じ、「アリバイ成立たず 核心には『覚えていない』」「当日の日記、空欄」などの見出しも掲げた。社会面でも連載コラムを除いたすべての紙面でAのプライバシーを報じ、「図々しい男」「ホラ吹き」「やりかねない男ですよ」「ずぼら」などといった知人の声を掲載した。そして、「〝灰色の男〟〔A〕の青春」との大見出しとともに、Aの顔写真に白バイのヘルメットを合成し、犯人のモンタージュと並べるという異常な紙面構成をとった。当時の整理部デスクであった根来昭一郎は、この合成写真について、校了時間になっても社会面の原稿は取材中で一枚も上がってこず、紙面を埋めなければとの焦りから写真を掲載してしまった、と回顧している。 夕刊になっても各紙は、「供述はいぜん二転、三転」(読売)、「次々くずれるアリバイ〔A〕」(東京)、「なぜウソをつく〔A〕、平然と忘れた、振り回された捜査陣」(サンケイ)などの見出しのもと、Aを犯人視する報道を続けた。ただ朝日新聞のみが、朝刊で「犯行、時間的に無理か 本部内にも〝白〟説」「『犯人? バカバカしい』 怒る父親」といった見出しを掲げ、別件逮捕問題にも言及するなど、抑制的な報道を維持した。
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