報道された出産事例
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/29 06:41 UTC 版)
2014年12月6日、2001年高校2年生の時に悪性リンパ腫にかかり、治療に抗がん剤の投与が必要だった女性が、抗がん剤の投与で卵子がつくられなくなる可能性があるため卵子を凍結、2014年8月30歳の時に解凍した卵子を使って出産した事例が報道された。卵子を10年以上凍結保存して出産したケースは日本国内では非常に珍しいとされる。女性と交流があるNPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の大谷貴子によると女性は「子どもが生まれてとても毎日が幸せです。血液疾患の患者さん全てが希望を持ち、治療に励んでほしい」と話しているという。日本生殖医学会常任理事の石原理埼玉医科大学産婦人科学教授は、「がん治療をするために卵子を凍結保存する全ての患者がうまく出産に至るわけではなく、過剰な期待を抱くわけにはいかないが、救われた人がいたことはとても意義がある。(健康な女性の場合も含め)安全性の評価は定まっていない。卵子を採取しておけば出産できるという保証があるわけではない。」とコメントしている。 2016年2月2日、日本国内で初とみられる健康女性が凍結保存していた卵子を体外受精し、女児を出産したケースが報告された。 1992年10月14日から凍結保存されていた受精卵から、 2017年11月25日にアメリカ合衆国テネシー州で生まれた。CNNによると、受精卵の凍結期間としては世界最長だという。母親は受精卵が移植された時、25歳だった。したがって生物学上は母親と娘の年齢の差はわずか1歳となる。 2019年8月、急性骨髄性白血病に罹患し、放射線治療をする前の20歳時に卵子凍結保存をした女性が、10年後の30歳時に凍結卵子を利用して出産した事例が報道された。2019年時点で同様の症例は日本国内で10例ほどであることも同時に報道された。
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