土石流の侵食作用による切開の形成とは? わかりやすく解説

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土石流の侵食作用による切開の形成

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/15 00:06 UTC 版)

岩屋寺の切開」の記事における「土石流の侵食作用による切開の形成」の解説

大きな河川存在しない山頂近くありながら河食による形成説が長期間にわたり存在し続けた切開について、綿密な現地調査考察行った井上は、2006年平成18年3月に『峡谷地形岩屋寺の切開」の成因』と題した論文島根県地学会誌発表した井上考察は以下に集約される。 峡谷断層破砕帯の上位置している。そのため破砕帯はその両側硬岩に比べて侵食対す抵抗力著しく小さい。 峡谷形成される前からそこは谷地形(谷中谷)、すなわち水の通り道であった峡谷終点峡谷最上流部)は3つの谷が合流する地点であり、豪雨時には流水が集まるところに位置している。 峡谷壁面には、板状の上端面いずれも上流側に傾いた微地形があり、これはインブリケーション覆瓦構造)と同じよう流れ卓越方向を示す構造である。 このような地形このような地質の場所に、異常な集中豪雨とそれによる土石流発生すれば、切開のような峡谷形成は可能であろう結論付けた形成過程をより具体的に表現すれば、まず初めに土砂含んで高密となった土石流峡谷終点付近変則十字谷で合流し、そこから一気切開峡谷形成前のNW性の谷を流下した。この谷底断層破砕帯未固結の軟岩)であって、その両側は硬岩であるため、破砕帯部分のみが深く侵食され峡谷になった考えられる。この考え方は、下流部にあたる参道各所存在する土石流堆積物その特徴である角礫混ざった岩相破壊され木片少量玄武岩礫の存在とも調和している。 なお、切開の上流部から山頂にかけて大規模な崩壊地形存在しないが、土石流発生には必ずしも大きな崩壊伴わない例え1966年昭和41年9月に、山梨県南都留郡足和田村(現富士河口湖町)で死者行方不明者94人を出した足和田災害ケースでは、直接要因となった土石流発生最初の2か所の崩壊地点では、厚さ10センチ表土が、わずか2から3平方メートル崩れただけであったのにもかかわらず、それが流れ下りながら、やがて大きな土石流成長したことが後年調査により確認されている。 切開形成され時期についても考察が行われ、手掛かりとなる次の4点挙げられた。 峡谷谷中谷であり、新しくできた谷と考えることが出来る。 峡谷左岸側オーバーハングしていて、節理開口して不安定な地形になっており、そのため崩壊進行していて、原壁面見なされる板状体の部分失われているが、それでも谷壁の大部分保存されている。 土石流谷底埋めた最も新し堆積物である。 土石流含まれる木片切断面からはわずかながら樹脂がしみ出てくる。炭化した痕跡もなく、埋没による変形もない。 以上のことから岩屋寺の切開は、きわめて新し時期形成されたもので、おそらく数百年前から古くても千数百年前の間であると考えられる

※この「土石流の侵食作用による切開の形成」の解説は、「岩屋寺の切開」の解説の一部です。
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