土石流に対する言い伝え
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 09:37 UTC 版)
他の自然災害同様、土石流の常襲地では土石流の危険性、避難の目安、地名などの情報が昔からの言い伝えや文書として代々受け継がれていることがある。また、石碑や石像など形あるもので伝えていく場合もある。日本において土石流を連想させるものは各地で「蛇」を連想させるものが多い。なぜ蛇なのかということについては、蛇が好むような沢沿いで発生する現象だからという説、土石流前に見られる豪雨が白く糸を引き蛇のように見えるからという説、巨石を先頭に流下する土石流が蛇のように見えるからという説、生命力や豊穣の象徴とされることも多い蛇が怒ったために土石流が発生すると考えられているからという説等々諸説ある。土石流が起こることは「抜ける」という動詞で表現されることがあり、「沢が抜けた」などともいう。 土石流が多発する長野県木曽地方では土石流のことを「蛇抜け」と呼び、蛇抜けの前には白い雨が降り谷の水が止まるという言い伝えが伝わっている。地名として残っている場合もあるが、蛇は「生命力や豊穣の象徴」というよりは「毒を持ち近寄りがたい生物」という悪い印象を持つ人のほうが多いためか、改名されてしまい現存数は少ない。 土石流災害を記録する石碑と看板(広島市) 蒲原沢土石流災害の慰霊碑(長野県) 「この石碑より下に家を建てるな」という子孫への訴えが彫られた石碑(岩手県) 顔を覆ってしゃがみ込む少女を象った「じゃぬけの碑」(長野県南木曾町の1953年の土石流被災地) JR肥薩線の真幸駅に展示されている巨岩
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