どざえもん〔ドザヱモン〕【土左▽衛門】
土左衛門
- 〔近世奇跡考〕享保九年午六月深川八幡社地の相撲の番附を見しに成瀬川土左衛門奥州産前頭の初にあり、案ずるに江戸の方言に溺死の者を-といふは、成瀬川肥大の者故に、水死して渾身ふくれふとりたるを、土左衛門の如しと、戯れいひしが、遂に方言となりしか。此説信じ難し、泥溝をドブと称し、又水に投ずる音をドブンなどいへば、例の人名に擬せしまでなるべし。
- 水死した者のことをいふ。
- 〔俗〕水死人の事。
- 溺死人のことをいふ。
- 享保九年六月、江戸深川八幡境内で、相撲興行の催された時、奥州初上りの成瀬土左衛門といふ力士があつた。ぶくぶく肥り色が白く丁度水ぶくれの水死人のやうなので、爾来、水死人を土左衛門といふやうになつたものである。
- 水死者。三島。
- 水死人のこと。或人が水死人の水ぶくれしたのを見て力士の成瀬川土左衛門にたとえて、「土左衛門のようだ」といつたことから出たという。
- 水死人、溺死人。享保の頃力士成瀬川土左衛門は色白く極めて肥大で溺死者がこれに似ているところより斯くいう。〔俗〕
土左衛門
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/21 04:50 UTC 版)
水に浮いた水死体のことを「土左衛門(どざえもん)」と呼ぶのは江戸時代からの伝統である。 名前の由来は、山東京伝の『近世奇跡考』巻1に「案(あんず)るに江戸の方言に 溺死の者を土左衞門と云(いう)は成瀨川肥大の者ゆゑに水死して渾身暴皮(こんしんぼうひ)ふとりたるを土左衞門の如しと戲(たわむ)ゐひしがつひに方言となりしと云」とある。水死体はいったん水底に沈み腐敗が始まるとガスを発生し、組織が水を吸ってぶよぶよになり、体が膨れ上がって真っ白に見えることがある。この様が、享保年間に色白で典型的なあんこ型体形(締まりのない肥満体)で有名だった大相撲力士、成瀬川土左衛門にそっくりだったことからこの名がついたという。 力士の四股名には伝統名として繰り返し襲名されるものが多いが、「土左衛門」はこの成瀬川の後は一度も襲名されることがなかった。 昔から海運業、海洋土木、水産業、造船業等海にまつわる業界では、土左衛門を発見し陸に上げて供養することは縁起が良いこととされている。
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