国際取引における施策
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/10 23:18 UTC 版)
「プランテーション」の記事における「国際取引における施策」の解説
プランテーションにおける問題は、違法伐採など法令・条約に基づくものもあれば、持続可能な開発の観点に基づくものもある。 違法伐採に由来する違法材やその製品は、少なからず先進国に輸出されており、その活動を経済的に支えてきた。これを改めるため1990年代以降、輸入国側における違法材対策として、取引での合法性確認(デューディリジェンス)を要求する制度を作る動きが生まれた。この中には例えば、欧州連合のFLEGT(英語版)およびEU木材規則(英語版)(EUTR)、米国の改正レイシー法(英語版)、日本のグリーン購入法およびクリーンウッド法がある。 また前述の法令・条約とは別に、1990年代以降、NGOや企業、消費者団体、地域などの参加によって、様々な自発的な持続可能性のための基準(VSS; voluntary sustainability standard)が策定・運用され、環境ラベリング制度として利用されている。例えば、レインフォレスト・アライアンス(英語版)や持続可能なパーム油のための円卓会議(英語版)(RSPO)が策定する認証制度や、森林管理協議会(FSC)やPEFC森林認証プログラム(PEFC)で策定される森林認証制度があり、PEFCやFSCではILO条約またはそれに準じた指標の遵守が(その国で批准されていなくとも)求められる。 NGOのキャンペーンによって、特定のプランテーション企業に対して圧力をかける動きもある。例えば、アジア最大規模の紙・パルプ企業であり250万ヘクタールの伐採権を持つインドネシアのアジア・パルプ・アンド・ペーパー(英語版)(APP)社は、2000年代以降、複数のNGOから環境破壊や人道上の問題を指摘されてきた。こうしたNGOのキャンペーンやCSR調達の浸透により、オフィスデポ、ディズニー、富士ゼロックス(現:富士フイルムビジネスイノベーション)、リコーなど、2013年までに100社以上の企業がAPP社との取引を中止した。APP社はこうした動きを受けて、2013年に天然林の伐採を停止し、供給企業や住民による違法伐採や火災対策を強化し、同社が管理する天然林の年間減少率は2019年にはかつての5%から0.15%に抑制されたとされる。 また、インドネシアの植林地での野焼きにより煙害被害を受けてきたシンガポールでは、NGOがこうした野焼きに関与する企業からの調達を自粛する企業をHaze-freeとし、企業の参加署名を求め、消費者などにリストを公開するといった活動をしている。
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