国防改革プログラム
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フィリピン軍の装備更新は遅れがちであり、アジア最弱の軍隊と指摘されることもあった。1999年10月、フィリピン国防省とアメリカ国防総省は、共同防衛評価(JDA)計画を開始した。2003年に発表された報告書(2003 JDA)は、フィリピン軍には、もっとも重要な任務であっても、部分的に遂行できる程度の能力しか備わっていないという、驚くべき指摘を行なった。 2003 JDAは、具体的に、下記の各領域での問題点を指摘した。 政策立案への体系的なアプローチ 人事管理とリーダーシップ 防衛費と予算 装備の取得 補給・整備 既存装備の品質保証 施設支援 2003年10月、ジョージ・W・ブッシュアメリカ合衆国大統領がフィリピンを訪問した際、グロリア・アロヨ大統領とともに、JDAにより指摘された問題点を解決するための施策の推進を発表した。これを受けて2004年、フィリピン軍は、フィリピン国防改革プログラム(Philippine Defense Reform, PDR)を発動した。これは、国防部門の短期的・長期的改革を目的としたもので、下記の10要件を備えている。 複数年度防衛計画システム(MYDPS) 情報・作戦・教育訓練の能力向上 兵站の能力向上 専門能力開発プログラムの改良 人事管理システムの改良 複数年度能力向上プログラム(CUP) 防衛予算の最適化とマネジメントの改善 専門要員による、国防装備の取得に関する中央管理システム 戦略レベルでの通信能力の開発・獲得 情報管理の開発プログラム PDRは、フェーズ1: 下地作り(2004〜5年)、フェーズ2: 防衛体制の確立(2005〜7年)、フェーズ3: 改革の遂行と制度化(2007〜10年)の3つのフェーズに分けて進められる計画であった。計画の進捗はおおむね順調であるが、主に予算不足により、その影響は、期待よりも限られたものとなる恐れが指摘されている。 PDRによる機材更新の一環として、作戦機としてFA-50戦闘爆撃機やC-295戦術輸送機、またドック型輸送揚陸艦としてターラック級輸送艦(英語版)などが配備された。今後はさらなる国防個人装備の近代化と輸送艦の輸入及び新造などを進め、洋上哨戒と偵察能力を重視した領海監視海軍機を導入する。現状で自立した国防体制と軍事同盟による集団的安全保障体制を両輪とし、共同演習も含むASEAN諸国海軍との交流強化と南シナ海でのフィリピン領島嶼部への国防体制を最優先とし、新たに輸送部隊やフィリピン海兵隊用基地新設も含め検討しており、島嶼国家フィリピン共和国の国防体制を、国防改革プログラムに沿って進め2020年代までに強靭な体制を確保し、さらに首都マニラ付近海域での沿岸警備隊も増設し、発展させるとしている。
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