国連による北朝鮮の人権状況決議
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「北朝鮮人権問題」の記事における「国連による北朝鮮の人権状況決議」の解説
2005年12月16日には、国連総会本会議において「北朝鮮の人権状況」決議が採択された。欧州連合(EU)提案の決議案は、スイス・ジュネーヴの国連人権委員会(53か国)で2003年から3年連続で採択。しかし事態が改善されていないとして、2005年にEUは国連総会に提出。決議案はEUが策定、日本や米国などが共同提案国となった。人権問題を扱う総会第3委員会で11月に採択され、本会議に送られ賛成88、反対21、棄権60で採択された。 2006年12月20日には、国連総会本会議において「北朝鮮の人権状況」決議が賛成99、反対21、棄権56で再び採択。北朝鮮政権による組織的な人権侵害が広く行われ、拷問、公開処刑、堕胎強要、外国人拉致、意思表示の権利剥奪などを非難し非常に深刻な懸念を表明する内容。外国人拉致を未解決の問題とし「他の主権国家の国民の人権侵害」との表現も加え非難を強めた。北朝鮮内での女性の人身売買なども合わせ、「組織的で広範かつ重大な人権侵害」への懸念を表明し、国連事務総長に包括的報告を行うよう求めている。決議に法的拘束力はないが、北朝鮮の人権状況改善や拉致問題解決を求める国際社会の意思を改めて示した。決議は日本とEUが主導して提出し、韓国は昨年の棄権から今回、賛成に転じた。中国とロシアは反対票を投じた。北朝鮮は国連の特別報告者による入国調査を認めず国連のすべての非難決議を拒否するとの態度を取っている。 ただし、北朝鮮の核問題と比べると、北朝鮮の人権問題は、日本を除いて、世界中の国からほとんど無視に近い状態にあるとヒューマン・ライツ・ウォッチは報告している。 2021年11月17日、国連総会第3委員会(人権)は北朝鮮による人権侵害を非難する欧州連合(EU)提出の決議案をコンセンサス方式(議場の総意)により無投票で採択した。同種の決議採択は17年連続。年内に開かれる総会本会議で採択され、正式な総会決議となる。日本は決議案への賛同を示す共同提案国に加わった。中国やロシアは、特定の国の人権問題を取り上げることに反対し、決議案を支持する「総意」には加わらないと表明した。北朝鮮の金星国連大使は演説で「人権侵害は存在しない」「決議案は米欧の敵視政策の表れだ」と反発を示した。
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