国立公園への国家支援の確立
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/23 20:36 UTC 版)
「イングランドおよびウェールズの国立公園」の記事における「国立公園への国家支援の確立」の解説
1930年代までには、都市部の人口増加と自動車の普及に伴い地方への公衆の関心が高まったことにより、地方へのアクセスを探す人たちと土地所有者との間に軋轢を生み出していた。キンダースカウト(ピークディストリクトのダークピークにあるヒースの荒野)の大量不法侵入のような直接行動による不法侵入と並行して、いくつかの任意団体が公衆アクセスの問題を政治の場に持ち込んだ。 1931年、クリストファー・アジソン(後のアジソン卿)が議長を務める政府委員会が、国立公園として指定する地域を選定するための「国立公園管理局」を提案した。下記の目的を遂行するため、国立の指定地と鳥獣保護区域のシステムが提案された。 特別な自然の財産を持つ区域を乱開発と乱獲から保護する。 自然美を持つ区域への歩行者のアクセス手段を改善する。 動植物の保護手段を拡充する。 しかし、1931年の総選挙で一時中断してからは、それ以上のアクションは取られなかった。 任意団体の国立公園の設立を要求する委員会が1936年5月26日に第1回会合を開き、英国に国立公園を置くよう政府に働きかけた。第二次世界大戦の後、労働党は英国の戦後復興の一部として国立公園の設置を提案した。国立公園の設立を要求する委員会事務局のジョン・ダウアーが1945年に都市地方計画大臣に提出した報告書は、1947年にも政府の委員会に提出された。このときの委員長はアーサー・ホブハウスだったが、彼は国立公園に関する法案をまとめ、12の国立公園を提案した。サー・アーサーは、適切な地域を指定する基準として、以下のように書いている。 国立公園に不可欠な条件とは、それが偉大な自然美を有し、野外のレクリエーションのための高い価値を有し、十分な連続した広さがあることである。さらに、選定した区域の分布は、合理的に実現可能な限りイングランドとウェールズの主な人口中心のいずれからでもいずれかの区域に速やかにアクセス可能であるようにするべきである。最後に、イングランドとウェールズに現存する地形のバラエティと幅広い多様性にはメリットがある。国立公園の選定を、山の険阻な区域やヒースの原野に狭め、雄大さと野生の点でやや劣るからといって独自の美と高いレクリエーション価値を持つそれ以外の区域を除外することは間違いだ。
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