四段円塔
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/08/25 03:42 UTC 版)
四段円塔の高さは6 m以上となり、三段円塔では得られない迫力ある演技が可能となる。その半面難易度が高く演技者には高度な能力が必要で、最低でも二ヶ月以上の肉体強化と一ヶ月以上の技術訓練が必要とされる。 四段円塔の構造には標準式とブラジル式がある。標準式は最下部12人、二階6人、三階3人、頂上1人の構造で、日本、香港、フィリピン、インドネシア、アメリカなどで披露された。二階の各メンバーには2人の補助がつくので、合計35人となる。最下段は標準式三段円塔の場合と同じく、両足で深く座り1人あけた隣のメンバーの手をとる。二階は最下部の右肩に乗り、1人あけた隣のメンバーの手をとる。三階は隣のメンバーのひじをつかむ。すなわち、全体において標準式三段円塔と類似する。しかし三段円塔と比べると最下段の重量負担は20%以上、二階の重量負担は100%以上大きい。そのため補助が行う最下段の重量負担軽減の役割は大変重要となる。塔の直径が2倍になるので力を中心に集中させにくく、クリープ効果によって二階の直径が拡大するため、中央に向かって崩壊する場合がある。 ブラジル式は1984年にサンパウロで披露され、以後現在までブラジルの標準的四段円塔の構造形式となっている。香港で類似の四段円塔が披露されたこともある。最下部10人、二階5人、三階3人、頂上1人の構造で6人の補助を合わせると計25人となる。最下段は右足を前に左足を後ろにして両膝を直角に曲げ背骨を垂直にし、2人あけた隣のメンバーの手をとる。二階、三階は1人あけた隣のメンバーの手をとる。日本式と比べると塔の直径が20%以上小いので、三階の3人は額を接触させて三角錐構造をとることができる。直径が小さいため、力を中心に集中させやすい。この形式の四段円筒は、外観が美しく実際よりも高く見える。構造的には日本式より堅牢であるが、一階および二階の構成員の重量負担は大きい。三段円塔と比べると最下段の重量負担は35%以上、二階の重量負担は125%以上大きいので、高度の肉体訓練を必要とする。二階の構成員は一階と同等以上の体力が要求される大変重要である。1984年当時の設計では最下部は九人であったが、10人にすることにより塔の中央に補助を置くことができ、最下段の重量負担を9%減らすことができる。これらの利点が直径拡大の欠点を上回ることが後にわかり、一階10人の構造が定着した。 1986年10月5日、「中部創価学会第7回世界青年平和文化祭」(愛知県体育館)で披露された四段円塔は最下部8人、二階4人、三階2人、頂上1人という特異な形状であった。同様の四段円塔はブラジル、アマゾン川中流のマナウスでも披露された。この塔は細くて大変美しいが構成員には高度な肉体訓練が必要で、とりわけ三階と頂上は優れた平衡感覚が要求される。 日本の学校の運動会で披露される四段円塔は、最下段と二段目に人間ピラミッドの構造を採用するものが多い。最下段は12人、二段目は6人でピラミッド構造を構成する。三段目は腰をほぼ直角に曲げて前屈姿勢をとる。この形式は直径が大きく高さが低いが、崩壊した場合でもけが人が出にくい。 演目上の性質から事故が相次ぎ、後遺症を負うなど訴訟に至ったり。安全面を考慮して演目を廃止する動きが見られる。
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