喫煙の有害性に疑問を投げかける識者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 08:31 UTC 版)
「日本の喫煙」の記事における「喫煙の有害性に疑問を投げかける識者」の解説
一方、喫煙での健康の有害性についてによる根強い異論もある。日本では養老孟司や小谷野敦、室井尚、三石巌、すぎやまこういち、名取春彦、上杉正幸などが過度な禁煙運動に異論を唱えている。物理学者の三石は、「医学常識は科学の非常識」と述べ、哲学者の室井は「喫煙の有害性」が科学的に証明されたことは無い、と断言している。また、嫌煙団体が持ち出した「喫煙を続けると肺が真っ黒になる」ことは新陳代謝上有り得ず、むしろ嫌煙団体が自分達の主義主張で禁煙を推し進める為に、写真を捏造したと指摘している。そして、最初に「喫煙=悪」ありきで、自分達の都合の良いデータだけを収集し、それをドグマとしている、と主張している。 ニコチンの身体依存性はきわめて弱く、それに基づく精神依存の増強は認められないとする主張がある。 東京大学名誉教授で医師・解剖学者の養老孟司は文藝春秋2007年10月号にて、「『肺がんの原因がたばこである』と医学的に証明出来たらノーベル賞もの」と述べており、がんは根本的には遺伝的な病気であり、医学論文は意図的に数字を選んで結論を導き出すものだから、絶対的な信用はおけないと医者は嫌というほど分かっている、と述べている。同年9月13日、日本禁煙学会はこの発言について、養老孟司及び山崎正和に公開質問状を送った。質問状では、肺ガンの主な原因が喫煙ではないという根拠は何か、受動喫煙には害がないという根拠は何か、等について訊いている。しかし養老と山崎から返事はなく、日本禁煙学会は同年10月30日に催促状を送った。一方の養老の所属事務所によれば「これまでも反対される方へ、反論のコメントを出すということはなく、質問状が手元に届いても見ずに捨ててしまうだろう」とのことだった。 2008年6月2日、「たばこは肺ガンの原因ではない」という記事が、『日経ビジネス』に掲載された。執筆者は脳研究者の池谷裕二である。この記事によれば、たばこが肺 がんの原因ではない可能性があるという。肺がんに関し世界の3つの研究グループがそれぞれ独自に調査を行い、すべてのグループともに第15染色体上の同じ 遺伝子による影響が大きいことを発表している。実験データによれば、この遺伝子が人によってわずかに違い、どのタイプの遺伝子を持つかは親から譲り受ける ことで決定されニコチン受容体を持った人は肺ガンになりやすいと結論づけている。deCODEジェネティス社のステファンソン博士らは「危険遺伝子を持っ ている人は、ニコチン耽溺に陥りやすく、たばこを常用し肺ガンになる」としている。一方残りの2つの研究グループは、この結論に反対し「たばこと肺ガンは無関係だ」 としている。国際癌研究機関のブレナン博士らのデータによれば、たばこを吸わない人でも危険遺伝子を持っている人がお り、非喫煙者についても遺伝子を大規模に調べたところ、「タバコを吸わなくても、危険遺伝子を持ってさえいれば、肺ガン発生率が高い」と結論づけていると いう。『日経ビジネス』の記事よりおよそ二ヶ月前、4月3日に、Natureには喫煙とガンの関係についての記事が二つ同時に掲載されていた。『日経ビジネス』の記事で言及されたアイスランドのdeCODEジェネティス社のステファンソン博士らの研究結果の記事と、国際がん研究機関のブレナン博士らの研究結果の記事である。
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