問題の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2012/10/18 14:12 UTC 版)
有態に言えば、育児書などは「子供の取扱説明書」的な側面があるとはいえ、子供の成長は「十人十色」でその全てが平均的であるという状況も珍しいし、またいくら読んでも実体験が無ければその先を想像し難くもあるため「実際にその時になってみないと判らない」部分も多く、多くの親は出産前に準備万端整えたつもりでも、実際の育児に際して思い通りにならないことも、当然といえば当然の話である。 ただ育児は「一人の人間」を育てるということの重大さもあって、多くの場合では手探りで行われる傾向もあり、これは「一人の人間」である親に強い緊張を含むストレスを与え得る。かつて祖父・祖母などが共同で生活している場合には、先輩となるそれらの人々に助言を求めたり、あるいは一時的にせよ世話を代行してもらったりといったことで、ストレスを軽減させることも可能だった訳だが、核家族化が進行した世帯ではそういった他の助力を得難い場合もあり、親が我が子を持て余してしまう場合もある。 母子家庭や父子家庭ないし両親がそろっていても片方が育児に無関心であったり理解を示さない場合、その育児を主に担当する側に負担が重くのしかかる傾向もあり、この場合の育児ストレスは深刻になりがちである。加えて専業主婦など家庭内で労働している場合には、ストレスを他に発散する場が乏しく、ノイローゼ(→神経症)に発展し易い傾向も見られる。配偶者や家族の理解と手助けが有用である。 この他の問題傾向として、晩婚化に絡んで一定の社会的成功を収めた者が家庭に入り、初めて挫折を経験するというケースも聞かれる。この問題では、乳幼児は教育を受けた部下のように聞き分けが良い訳でもないため、様々な細かい失敗を繰り返してしまって疲れ果ててしまうのだとされる。先に述べたとおり、子供の成長はそれ一つが個性も絡んで様々であるが、現代社会では育児に関する情報は多く、逆にこれと言った決定的なものが無く、様々な情報に翻弄される。当然ながらそれら情報に示された通りに行かないこともあり、そこで挫折感を味わうとされ、この「失敗」の原因に関して、果たして自分が悪いのか、子供が悪いのか、それとも配偶者が悪いのかといった葛藤によりストレスを溜め込むという。
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