ジャクソン構造図(Jackson structure diagram)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/02 22:31 UTC 版)
「ジャクソンの構造化プログラミング」の記事における「ジャクソン構造図(Jackson structure diagram)」の解説
ダイクストラらに始まる構造化プログラミングの教義は、goto文とラベルで混線化し混沌状態となった計算プロセスの進行を、連接・選択・繰り返しの抽象による入れ子構造に置き換えさせることで単線化させた。並行性や並列性があまり知られていなかった1960年代において、プログラムといえば単線のプロセスであったことから、その単線化された構造は明らかに適切な構造であるとみなされ、プログラミングだけではなく、当然のように分析や仕様の分野にも輸入されるようになった。 流れ図(flowchart)における制御に関する3つの分解の型 連接(concatenation)複合文(ブロック文) 選択(selection)条件文(if文)、場合分け文(case文) 繰り返し(repetition)繰り返し文(while文、for文) 一方で、ジャクソンは、プログラムを作り上げるにあたってはコーディングの前に必ず設計を行うべきであるが、流れ図はその名が示すように制御の流れを記述するものであり、問題の構造について考える設計段階でプログラムの実行とその進行について考えさせてしまうことから、流れ図を書くことは設計ではないと主張した。 ダイクストラがまずアルゴリズムを決めそこからデータ構造を導く手法(データ抽象化)を用いたのに対し、逆にジャクソンは、設計技法としてはまずデータ構造を分析してからアルゴリズムなどのプログラム構造を決めるべきとし、ホーアが主張した制御構造とデータ構造の対応関係を踏まえてか、上記の流れ図の分解に代わり、データ構造の分析手段として提案したのが以下のジャクソン構造図(Jackson structure diagram)である。 ジャクソン構造図(データ構造に関する3つの分解の型) 順次(sequence)直積型データ構造 選択(selection)直和型データ構造 反復(iteration)配列型データ構造
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